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国立劇場「今様三番三」「『隅田春妓女容性 ―御存梅の由兵衛―」

2017/12/26
?12月23日(土)、国立劇場へ。切符を融通してくださったYさんに感謝。

ちょいメモ備忘録20171223-06

ちょいメモ備忘録20171223-04

一、今様三番三
曽我二の宮:雀右衛門/佐々木小太郎行氏:歌昇/結城三郎貞光:種之助

芝雀さんが雀右衛門さんになってから初お目見え。名前が変わり芝雀さんより一段上の風格。曽我二の宮(雀右衛門)を追い詰める佐々木小太郎行氏(歌昇)と結城三郎貞光(種之助)。二人が雀右衛門さんの踊りを支える成長ぶりに感動。

ラスト、曽我二の宮の桃、佐々木小太郎の黒、結城三郎の茶、軍平たちの黄、背景に紅白うち混ぜの釣り枝、遠見の箱根権現、芦ノ湖と富士の山の青。歌舞伎ならではの色彩にほれぼれ。

ちょいメモ備忘録20171223-03

二、隅田春妓女容性―御存梅の由兵衛―
梅の由兵衛:吉右衛門/源兵衛堀の源兵衛:歌六/土手のどび六:又五郎/由兵衛の女房・小梅・丁稚長吉:菊之助/延紙長五郎:歌昇/芸者小糸:種之助/米屋娘お君:米吉/医者三里久庵:吉之丞/米屋佐治兵衛:橘三郎/曽根伴五郎:桂三/金谷金五郎:錦之助/額の小三:雀右衛門/信楽勘十郎:東蔵

ちょいメモ備忘録20171223-05

江戸の男伊達、侠客として描かれる梅の由兵衛。義侠心に富む由兵衛(吉右衛門)の侠客ぶりを堪能する演目。

吉右衛門、身体の大きさをフルに生かし、由兵衛の立ち回りでの身のこなし、義弟を殺し苦悩する姿等、どの場面でも侠客由兵衛の男ぶりを全身で表現。「大きいことは良いことだ」というキャッチコピーが頭の中を回る。

一番の見どころは「橋本座敷」での由兵衛の啖呵を切る姿でしょう。紫の頭巾をとり両肌脱ぎ、怒りを身体にたぎらせた瞬間の豪快な男ぶり。着物の裾をまくり上げ尻端折りになって赤と白の襦袢から見える足がかっこいい。

由兵衛の女房・小梅(菊之助)、豊満な色気のある酸いも甘いも噛み分け芸者あがり、気っ風の良さそうな姉さん。色々な恋愛を渡り歩き惚れあって互いに行き着いたに違いないお似合いの夫婦。吉右衛門と菊之助、とてもお似合いの二人だった。もっと早くに組めれば最強のコンビになれたかもと思ってしまう。

長吉(菊之助・二役)で早変わりを楽しむ。信楽勘十郎(東蔵)、源兵衛(歌六)、土手のどび六(又五郎)、盤石の布陣。金五郎(錦之助)、優男なだけでなく喧嘩が好きな奔放キャラなところがイイ。小三(雀右衛門)とのカップルはあまりしっくりこなかった。

長五郎(歌昇)、難しい役だと思う。ほっぺたおてもやんの一人おかしみのある役。お金を探す場面でお尻フリフリしたり真面目な歌昇が頑張った感。お君(中村米吉)、まだ世間知らずな娘の好き好き大好きの娘役。米吉のこういうキャラ、さらに磨きがかかっていた。小糸(種之助)、女形だったのでびっくり。又五郎さんに似ているのに可愛いかった。小柄なので女形も十分いけると思う。久庵(吉之丞) 、軽薄で女好き。ちょび髭が似合う。

ところで由兵衛紫の頭巾、男伊達を象徴するものらしいがいまいちピンとこなかったのは私だけ?あと、由兵衛は「ならぬ堪忍するが堪忍」と言っていたものの義弟を殺してしまう。が、決して短気で殺したのでなく、のっぴきならない状況に追い込まれての殺し。だから「堪忍」できなかったわけではないのにと思ったが違うの?

それはともかく、久しぶりの吉右衛門丈、堪能しました。あの「橋本座敷」の場面だけでも私にとってはお釣りがきます。

ちょいメモ備忘録20171223-07

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00:01 鑑賞記録 | コメント(0) | トラックバック(0)

秀山祭九月大歌舞伎「毛谷村」「道行旅路の嫁入」「極付幡随長兵衛」

2017/09/24
平成29年9月23日、1年半ぶりに歌舞伎座へ。

しばらく歌舞伎から離れている間に、芝雀さんは雀右衛門を、橋之助さんは芝翫を、勘九郎のご子息は勘太郎、長三郎を、彦三郎さん亀三郎さん亀寿さんは楽善、彦三郎、亀蔵を襲名し、じゅふたんは初お目見えをして、どんどん歌舞伎界が別物になったようで気分はすっかり浦島太郎。

とても新鮮な気持ちで行ってきました秀山祭。

ちょいメモ備忘録20170923-01

一、彦山権現誓助剱  毛谷村
毛谷村六助:染五郎/お園:菊之助/杣斧右衛門:吉之丞/お幸:吉弥/微塵弾正実は京極内匠:又五郎

六助(染五郎)、見る前から染五郎の六助か想像できた。実際想定通り。垢抜けないけれど愛嬌があって面倒見がよくて。力持ち感はなかったがはまり役。はまり役すぎて、もう一歩進化した六助を期待したいところ。

お園(菊之助)は武家の娘の風情がよくでている。でもいいなずけに会えて喜ぶ場面は時蔵さんが演るおきゃんな感じが好き。菊之助のお園は豊満な色気溢れるバーのマダムみたい。そのためか、六助とお園が実は許嫁と分かり互いの態度が豹変するというコミカルな展開が少々重く感じられた。

お幸(吉弥)、さすが。凛とした姿勢の武家の女。それなのに六助といきなり斬り合う場面もおかしみが感じられた。微塵弾正、実は京極内匠(又五郎)、悪人の存在感を見せつつ悪知恵を働かせる軽さも持ち合わせる。

ちょいメモ備忘録20170923-02

二、仮名手本忠臣蔵 道行旅路の嫁入
戸無瀬:藤十郎/小浪:壱太郎/奴可内:隼人

幕が開き胸がすくような富士山がどーん!歌舞伎のこういう空間の使い方がイイ。

戸無瀬の藤十郎さん、85歳!お身体が若い人のように動かなくても、母性全開、溢れる愛情、そんじゃそこらの若輩者には太刀打ちできず。
ちょいメモ備忘録20170923-03

小浪(壱太郎)、可憐さに磨きが掛かった。周りが霞んで見えるほど、眩ゆいほどに煌めいている。白みがかった振袖が本当によく似合う。壱太郎のこの年令だからこそ醸し出せる瑞々しさ、愛らしさ。今がピークとすら思う。

奴可内(隼人)、よかった!以前なら父錦之助が演る役なのだろうが、隼人も十二分に魅せた。素人評価だけど踊りが上手くなったなあ。なんかうれしいぞ。

三、極付 幡随長兵衛 「公平法問諍」
幡随院長兵衛:吉右衛門/水野十郎左衛門:染五郎/近藤登之助:錦之助/子分極楽十三:松江/同 雷重五郎:亀鶴/同 神田弥吉:歌昇/同 小仏小平:種之助/御台柏の前:米吉/伊予守頼義:児太郎/坂田金左衛門:吉之丞/慢容上人:橘三郎/渡辺綱九郎:錦吾/坂田公平・出尻清兵衛:又五郎/唐犬権兵衛:歌六/長兵衛女房お時:魁春

本日のお目当て。吉右衛門の幡随長兵衛を是非とも舞台で見たかった。

長兵衛(吉右衛門)、人情味あふれ子煩悩。それでいて清濁併せ呑む親分肌。劇中劇「公平訪問諍」で客の諍いを治めるときの流れるような台詞回しから醸し出される親分としての男ぶり。水野から迎えが来た事を知った瞬間からその大きな体から溢れ出るのは、頭として人の上に立つ者が負う身を引き裂かんばかりの孤独。風呂を勧められたとき、目を大きく見開き自分の運命を受け入れ諦めの境地に達する哀しさ。

格好良すぎて惚れずにいられません。
ちょいメモ備忘録20170923-05

劇中劇「公平法問諍」はやっぱり楽しい。このまま続きを見たいと思ったくらい。

坂田公平(又五郎)、気は優しくて力持ちのスーパーヒーロー。劇中劇の人物だけに荒事も軽めに抑えている。
ちょいメモ備忘録20170923-04

伊予守頼義(児太郎)、みずみずしい色気を放ち華やか。慢容上人(橘三郎)、コミカルな生臭坊主。坊主がぴょんぴょん飛ぶ構図が笑えた。

他方、長兵衛と対立する水野十郎左衛門(染五郎)、染五郎のニンでは全くないと思うが、水野の非情さ冷酷さを表情、台詞から浮かび上がらせていた。近藤登之助(錦之助)、同じくニンではないと思うが、年季が入っている分、型と性根が一致。坂田金左衛門(吉之丞)、水野の権力をかさに着る小物感。

長兵衛女房お時(魁春)、一時休演で心配したが復活してくれてうれしい。長兵衛には自分の感情を押し殺そうとしても夫への思いがひたひたと滲み出る抑え気味の妻が似合う。
ちょいメモ備忘録20170923-07

「幡随長兵衛」、吉右衛門贔屓としては大満足。見に行けて本当に良かった。他の役者の長兵衛を見たことはある。が、今日吉右衛門版長兵衛を見てこういう長兵衛を見たかったのだと実感。この長兵衛を超える長兵衛は私の中では当分出てこないだろう。

ちょいメモ備忘録20170923-06


01:09 鑑賞記録 | コメント(0) | トラックバック(0)

「菊日和―母の日記が語る父との恋とあの頃の東京の暮らし」波乃 久里子

2017/06/07
先代(十七世)中村勘三郎の芸を見つめ、昭和を走り続けたその妻久枝の生涯を、初公開の日記とともに娘である女優波乃久里子が綴る、名優の家の物語(「BOOK」データベースより)

菊日和―母の日記が語る父との恋とあの頃の東京の暮らし

17世勘三郎の奥方の夫への想いがつづられた日記は少女漫画の世界。夫への愛情は十二分ながら芸に関しては父六世菊五郎が絶対。

23:52 歌舞伎本 | コメント(0) | トラックバック(0)

「僕らの歌舞伎: 先取り! 新・花形世代15人に聞く」

2016/12/25
伝統芸能の魅力を次世代につなげる新書シリーズ企画。主に現在30歳前後までの若手歌舞伎役者総勢15名に、芸と役、家、将来についてなどを聞いたインタビュー集です(松也・梅枝・歌昇・萬太郎・巳之助・壱太郎・新悟・右近・廣太郎・種之助・米吉・廣松・隼人・児太郎・橋之助〈年齢順、敬称略〉)。聞き役は元NHKアナウンサーで、伝統芸能をわかりやすく伝える活動を続ける葛西聖司さん。歌舞伎界の将来を担う役者たちの、現在の立ち位置を記録した資料としても有用な書です。カラー口絵では各役者の舞台写真も掲載(Amazon)。

僕らの歌舞伎: 先取り! 新・花形世代15人に聞く (淡交新書)

本書でとりあげられている若手たちの芝居をみても数名を除いては二十年後、三十年後に彼らの親世代の力量の役者に成長している姿は想像できないのだけれど、彼らの歌舞伎に対する真摯な姿勢を知るととそれも夢ではないのかもしれないと思えてくる。ちなみに私の現時点のお気に入りは松也、巳之助、歌昇、種之助、梅枝、児太郎。葛西聖司さんの十五人全員についての評がよかった。

21:19 歌舞伎本 | コメント(0) | トラックバック(0)

早稲田大学演劇博物館 「中村吉右衛門展」

2016/06/24
早稲田大学演劇博物館へ。お目当ては「中村吉右衛門展」。吉右衛門丈が早稲田大学芸術功労者の顕彰を受けたことを記念しての展示。この建物に足を踏み入れたのは20年以上ぶり。

ちょいメモ備忘録20160624-01

入口には鎌田現総長と吉右衛門の写真!まさかこの二人が並ぶ写真を見ることになるとは。また、早稲田大学の卒業式(2015年3月)で行われた顕彰授与の模様がVTRで流れていた。スピーチは文学部フランス文学専修出身らしくスタンダールの「生きた、書いた、愛した」と言う言葉をテーマにした卒業生へのはなむけ。

展示写真は一昨年、銀座のGUCCIで開催された写真展「SONORAMENTE」の超縮小版。
「義経千本桜」で崖から飛び降りる知盛、「熊谷陣屋」幕切れで鳥屋から撮影した揚幕の先を見つめる熊谷直実にまた出会えたのはうれしい。そのほか、俊寛、河内山等。

注目は当代吉右衛門の襲名披露のポスター。隈取のみ、写真無し。これは貴重。襲名披露演目は「金閣寺」の此下東吉、「積恋雪関扉」の宗貞。

そして歌舞伎衣装。「競伊勢物語」紀有常、「閻魔と政頼」の政頼。吉右衛門の政頼、一度みてみたい。さらに初代吉右衛門の書抜、当代吉右衛門の画。

ちょいメモ備忘録20160624-02

久しぶりに歌舞伎に触れてリフレッシュ。意外にも大学内に緑が多いことを発見。短時間だけど楽しかった。

16:22 歌舞伎もろもろ | コメント(0) | トラックバック(0)
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