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「似せ者」 松井 今朝子

2015/04/21
「似せ者とわかっていながら、なぜこんなにも心が騒ぐのだろうか」。時は江戸。歌舞伎芝居の名優のそっくりさんが二代目を名乗り、人々は熱狂して迎えるが……。表題作のほか、若い役者2人の微妙な関係を描く『狛犬(こまいぬ)』、お仕打が東奔西走する『鶴亀』、幕末混乱期の悲恋をめぐる『心残して』の全4編を収録(「BOOK」データベースより)。

似せ者 (講談社文庫)

「藤十郎の恋」をヒントにしたに違いない「似せ者」 、「そうまでおっしゃっていただくと、ありがた山の鳶烏(とんびがらす)、かたじけ茄子の香の物にござりやす」の「狛犬」、一世一代の覚悟で舞台に立ち続け、役者人生を全うした役者を描いた「鶴亀」、三味線方と長唄にスポットをあてた「心残して」。

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「傾く滝 」 杉本 苑子

2015/04/11
大名題の家に生れ、類いまれな美貌で“江戸の華”と謳われた8代目団十郎。しかし彼は、肉親との葛藤に悩み、芝居町を弾圧するご政道に不安をつのらせ、ついに仇持ちの浪人宮永直樹への破滅的な愛にのめり込む。謎の死に至る団十郎の伝説的な生涯を、江戸歌舞伎を背景に描いた、初期の代表的長編小説(Amazon)。

傾く滝 (講談社文庫)

ノンフィクションかと思いきやフィクション。でも市川宗家のお家事情を覗き見た気分。

八代目團十郎の恋人宮永直樹は実在しない。なのに八代目團十郎像が当代海老蔵と重なる不思議。もうちょっと破滅的キャラの方が自害に説得性がでるかも。

七代目が正妻、妾を次々と孕ませ女たちは息子の将来を案じ、他の女に先んじようとするのに忙しく、結果息子たちは精神の安定を欠き、一族崩壊につながる悲劇。

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「仲蔵狂乱」 松井今朝子

2014/10/29
「存分に舞い狂うてみせてやる…」江戸は安永―天明期、下積みの苦労を重ね、実力で歌舞伎界の頂点へ駆けのぼった中村仲蔵。浪人の子としかわからぬ身で、梨園に引きとられ、芸や恋に悩み、舞いの美を究めていく。不世出の名優が辿る波乱の生涯を、熱い共感の筆致で描く。第八回時代小説大賞受賞作(「BOOK」データベースより)。

仲蔵狂乱 (講談社文庫)

フィクションかと思いきや、田沼意次登場。ノンフィクションらしい。江戸時代の歌舞伎界、エグいです。21世紀の歌舞伎界はここまでドロドロしてないと思うが、本質は変わってない気もする。門閥外から大看板となった役者が本当にいたことにびっくり。

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「中村雅楽推理手帖 目黒の狂女」 戸板康二

2014/09/13
「目黒の狂女」「女友達」「女形の災難」「先代の鏡台」「楽屋の蟹」「砂浜と少年」「俳優祭」「玄関の菊」「女形と香水」「コロンボという犬」。

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戸板康二さんの小説。歌舞伎役者中村雅楽が謎解きに大活躍!

ミステリーを楽しむというより歌舞伎役者の粋な生活や昭和30~50年代の雰囲気を味わう小説。芝居の演目名が小出で登場してうれしい。

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「きのね」(上・下)  宮尾登美子

2014/08/31
上野の口入れ屋の周旋だった。行徳の塩焚きの家に生れた光乃は、当代一の誉れ高い歌舞伎役者の大所帯へ奉公にあがった。昭和八年、実科女学校を出たての光乃、十八歳。やがて、世渡り下手の不器用者、病癒えて舞台復帰後間もない当家の長男、雪雄付きとなる。使いに行った歌舞伎座の楽屋で耳にした、幕開けを知らす拍子木の、鋭く冴えた響き。天からの合図を、光乃は聞いた…(上)。夢み、涙し、耐え、祈る。梨園の御曹司、雪雄に仕える光乃の、献身と忍従の日々。雪雄の愛人の出産や、料亭の娘との結婚・離婚にも深くかかわる光乃。一門宗家へ養子に行く雪雄につき従い、戦中の、文字通り九死に一生の苦難をも共に乗り越えた光乃。続く戦後の混乱期、雪雄の子を宿していると気づいた光乃の、重い困惑と不安……。健気に、そして烈しく生きた、或る女の昭和史(下)(Amazon)。

きのね(柝の音)〈上〉 きのね(柝の音)〈下〉

主人公光乃とその夫雪雄は、十一代目市川團十郎夫婦がモデル。そのせいか、癇癪もちの雪雄の行動が当代海老蔵のものとして再生される。あと、雪雄が息子を可愛がる場面は、まるで当代海老蔵が勧玄くんを可愛がっているかのよう。今、海老蔵に夢中の年配の方々は、海老蔵に十一代目市川團十郎の面影をみているはず。

以下、登場人物のモデルをカッコ内で推測。我ながら暇だ・・・。

主人公
塚谷光乃→堀留光乃(堀越千代) ※11代目松川玄十郎(市川團十郎)妻

7代目竹本宗四郎家(松本幸四郎家)
白木屋(高麗屋)
7代目竹本宗四郎(松本幸四郎、本名藤間金太郎)
菊間流(藤間流)宗家
襲名 1.松川銀次郎 (市川金太郎)→2.4代目松川珠五郎(市川染五郎)→3.8代目松川桃蔵(市川高麗蔵)→4.7代目竹本宗四郎(松本幸四郎)

11代目松川玄十郎(市川團十郎) ※後、松川家(成田家)
本名 菊間雪雄→堀留雪雄(藤間治雄→堀越治雄)
父 7代目竹本宗四郎(松本幸四郎)
養父 5代目松川六円(市川三升)
襲名 1.初代銀次郎 (松本金太郎)→2.9代目松川桃蔵(市川高麗蔵)→3.9代目松川鶴蔵(市川海老蔵)→4.11代目松川玄十郎(市川團十郎)

12代目松川玄十郎(市川團十郎) ※松川家(成田家)
本名 塚谷勇雄→堀留 勇雄(堀越夏雄)
父 11代目松川玄十郎(市川團十郎)
襲名 1. 松川勇雄(市川夏雄)→2. 6代目松川勘之助(市川新之助)→3. 10代目松川鶴蔵(市川海老蔵)

本名 塚谷雪代(堀越治代) 襲名 (2代目市川紅梅)
父 11代目松川玄十郎(市川團十郎)

8代目竹本宗四郎(松本幸四郎、初代松本白鸚)
本名 菊間新二郎(藤間順次郎)
父 7代目竹本宗四郎(松本幸四郎)
襲名 5代目松川珠五郎(市川染五郎)

本名 菊間正秋(藤間昭暁)
父 8代目竹本宗四郎(松本幸四郎)
襲名 1. (2代目松本金太郎)→2.(6代目市川染五郎)→3. (9代目松本幸四郎)

本名 菊間典康(藤間久信→波野久信→波野辰次郎) ※(播磨屋)
父 8代目竹本宗四郎(松本幸四郎)
養父 初代幸右衛門(中村吉右衛門)
襲名 1. (中村萬之助)→2. (2代目中村吉右衛門)

2代目田上華松(尾上松緑、四世家元4代目藤間勘右衛門) ※(音羽屋)
本名 菊間優(藤間 豊)
父 7代目竹本宗四郎(松本幸四郎)

初代田上巳之助(尾上辰之助、贈3代目尾上松緑)  ※(音羽屋)
本名 菊間稔(藤間亨)
襲名 1. 初代田上右近(尾上左近)→2. 初代田上巳之助(尾上辰之助)

松川家(成田屋)
7代目松川玄十郎(市川團十郎)
9代目松川玄十郎(九代目市川團十郞)

麗扇(2代目市川翠扇)、父 9代目松川玄十郎(市川團十郞)
白梅(2代目市川旭梅)、父 9代目松川玄十郎(市川團十郞)
5代目市川勘之助(市川新之助)、白梅(2代目市川 旭梅)の入婿

5代目松川六円(市川三升、贈10代目市川團十郎)
養父 9代目市川團十郞、 養子 11代目市川團十郎

3代目松川濤海(市川壽海)

(播磨屋)
初代幸右衛門(中村吉右衛門)
3代目山村茶六(中村歌六)
3代目仙蔵(中村時蔵)

辰巳屋(音羽屋)
6代目田上梅五郎(尾上菊五郎)
6代目田上栄幸(尾上梅幸)

3代目田上梅之助(尾上丑之助、7代目尾上榮三郎)
父 6代目田上栄幸(尾上梅幸)

(8代目坂東彦三郎)
襲名 1. 4代目寅三郎(坂東亀三郎)→2. 8代目錦水(坂東薪水)

(成駒屋)
2代目扇屋鴈治郎(中村鴈治郎)
春右衛門(歌右衛門)

(大和屋)
7代目関東六津次郎(坂東三津五郎)

6代目関東豆助(坂東蓑助)
養父 7代目関東六津次郎(坂東三津五郎)
襲名 1. 3代目坂東八十助→2. 6代目関東豆助(坂東蓑助)→3.(8代目 坂東三津五郎)

(澤瀉屋)
3代目市川象之助(市川猿之助)

(松嶋屋)
12代目諸岡徳左衛門(片岡仁左衛門)

5代目師岡仁雀(片岡芦燕)
父 12代目諸岡徳左衛門(片岡仁左衛門)
襲名 3. 5代目師岡仁雀(片岡芦燕)→4. (13代目片岡我童)→(14代目片岡仁左衛門)

山村家(中村家)
4代目山村ひょうたん(中村もしほ)
襲名 2. 4代目山村ひょうたん(中村もしほ)→3. 17代目山村仙三郎(中村勘三郎)

桔梗屋(橘屋)
15代目喜左衛門(市村羽左衛門)
17代目喜左衛門(市村羽左衛門)

(紀伊國屋)
7代目河村正十郎(澤村宗十郎)

川原崎座(河原崎座)
6代目川原崎丹之助(河原崎権之助)

2代目菊間東右衛門(藤間勘右衛門)
襲名 1.松川銀次郎(藤間金太郎)→2.2代目菊間東右衛門(藤間勘右衛門)→3.菊間東翁(藤間 勘翁)

その他
横田黄邨  (前田青邨)光乃の養父
水谷三重子(水谷八重子)
梅本楼(日比谷の松本楼)

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