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「犬神家の一族」 横溝 正史

2013/11/22
信州財界一の巨頭、犬神財閥の創始者犬神佐兵衛は、血で血を洗う葛藤を予期したかのような条件を課した遺言状を残して他界した。血の系譜をめぐるスリルとサスペンスにみちた長編推理(Amazon)。

犬神家の一族 (角川文庫―金田一耕助ファイル)

保育園の頃、今日「犬神家の一族」テレビでやるんだって皆が言ってて、「犬神家」なんて全く知らなかった私だけれど、みんな見るんだー私も見なきゃーと思って、頑張って夜11時まで見て、はりきって翌日保育園行ったらみんな寝ちゃってて(当たり前)、誰も見てなかった、というのが「犬神家の一族」の想い出。

金田一が頭をむしゃむしゃ掻いて白い物が飛び散って、母親に「あれなに?」って聞いて「ふけ」と教えてもらったことと、人が逆さに立って湖に突き刺さっていたシーン覚えてる。

横溝正史は初めてだがミステリー好きを自認する以上もっと早く読めばよかった。戦後すぐのやや間延びした時の流れ方、やたら美貌が強調される珠子さん、薄気味悪い猿蔵など、最近のミステリーばかり読んでいる私には目新しい。

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08:33 日本・小説(新) | コメント(0) | トラックバック(0)

「在日」 姜 尚中

2013/11/22
自分の内面世界に封じ込めてきた「在日」や「祖国」。今まで抑圧してきたものを一挙に払いのけ、悲壮な決意でわたしは「永野鉄男」を捨てて「姜尚中」を名乗ることにした。初の自伝(Amazon)。

在日

在日の人たちは流浪の民であるかのよう。明確に祖国を答えることができなくとも、コスモポリタン的存在を楽しめるのではないかと思うが、それは私が祖国にしっかり基盤を持つことができているからこそ思うのかもしれない。

08:24 歴史・伝記 | コメント(0) | トラックバック(0)

「タブーの謎を解く―食と性の文化学」 山内 昶

2013/11/22
タブーとは何だろうか。およそ人類史上、タブーのない社会は古今東西どこにも存在しなかった。未開社会だけではない。現代都市の若者のあいだでもタブーはひそかに息づいている。なぜ人間は、古来から近親婚を禁じたり、イスラム教が豚肉、ヒンドゥ教が牛肉、あるいは仏教が肉食一般を禁止したように、性や食の禁制を社会のなかに仕掛けておかなければならなかったのか。人間の原思考が生み出した奇怪な文化装置であるタブーの謎にスリリングに迫る(「BOOK」データベースより)。

タブーの謎を解く―食と性の文化学 (ちくま新書)

「人間はカオスを明確な意味秩序空間に変えなければ、世界を認識できず、自分の存在を確信できない」(p.132)。

そして、「タブーとは、カテゴリーの明確な対立に関して異例なカテゴリーに適用される」。「AB二つの言葉のカテゴリーがあるとして、Bは《Aでないもの》と定義され、その逆もまた真であるとき、この区別を仲介する第三のカテゴリーCがあって、AB両方の属性を共有すれば、そのときCはタブーである」とリーチは説く(p.148)。

また、他から切断された個物の「固有性が不完全な場合には不純で不潔」であり、「他物、つまり他のカテゴリーと接触し、交錯し、混在することは不浄で、思っただけでもおぞましい出来事」とされ、タブーとされる。(p.167)と筆者は説く。

これを食のタブーにあてはめると、
・コウモリは鳥類なのに哺乳類のネズミのような顔をしているから食べなかった。
・ウシがインドで食禁なのは、ウシが家畜でありヒトと動物の中間域に属するから。
・イスラムでブタが食禁なのは、草食動物と肉食動物の中間に位置する雑食動物であり、また、家畜であったから(p.153)。

これを性のタブーにあてはめると、
・隣人の妻との姦通の禁止は、私の妻/隣の妻の境界を越界することになるから。
・同性愛の禁止は、ホモは種の保存のために本来異性に向かうべき性欲がその対象を取り違えた結果だから。
・動物との獣姦の禁止は、人間と動物のカテゴリーの区分の蹂躙だから(p.159)。

他にも、
・同じおかずを二人一緒に箸でつまむなの禁は、自分と他人のカテゴリーの混合のせい。
・「敷居を踏むな」のタブーは、一本の棒が外から内への侵入を防ぎ(敷居が高い)、内部を防御する高い城壁(敷居を跨がせない)となっているのに、敷居そのものは「アンビヴァレントで曖昧なリーメン」にほかならず、その上に立つとコスモスから転落してカオスの中に沈み込む」。西洋でも、敷居は「神秘的なものが取り憑いているとの観念」「超自然的な危険の宿る所だという観念」が存在した(p.133)。

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食と性のタブーを統一的に理解している事にまず驚く。当然だと思っていることが、そもそも何らかのタブーを前提としていることに気づかされた。近親婚のみ許容しそれ以外は許さない社会があっても不思議ではないのだ。難しかったが面白かった。

08:16 風俗・民族・社会 | コメント(0) | トラックバック(0)

「歌舞伎 家と血と藝」 中川 右介

2013/11/21
当代の役者はいかなる歴史を背負っているのか?明治から現在まで、歌舞伎の世界には、世襲と門閥が織りなす波瀾万丈のドラマがあった――。歌舞伎を観るのがもっと楽しくなる本。

○市川團十郎家はなぜ特別なのか?○松本幸四郎家は劇界の毛利三兄弟?○中村勘三郎の死は何を意味するか?○偶数系片岡仁左衛門の悲劇とは?○栄華を極めた二人の中村歌右衛門の戦略とは?○尾上菊五郎家の歴史は繰り返す?○新しい歌舞伎座を担うのは誰か?(Amazon)

歌舞伎 家と血と藝 (講談社現代新書)

市川宗家をはじめとする歌舞伎の名門家の位置づけを捉えることができ、非常に面白かった。

血と芸を絶やさず、一門繁栄させるため不可欠なのは政治力。養子隠し子も厭わず。必要とあらば、他家で修業をさせる。六代目菊五郎が九代目団十郎の下で修業したように。

対照的なのが、三代目中村時蔵の五人の息子。五人も息子がいたのに、ひとりも歌舞伎役者として大成できず。その原因は、時蔵が劇界政治に疎く、大家族であることを喜び、子供を外に出さなかったため。歌舞伎以外で大成した四男は中村錦之助、五男は中村嘉葎雄が、他家で修業して歌舞伎役者の道を歩んでいたら、萬家は今頃歌舞伎界で名を轟かせていたのかも。

他にも、五世歌右衛門の「福助の名跡に空白があってはならない」という遺言があったから、来年3月に児太郎が福助を襲名すること。片岡仁左衛門という名跡について、奇数の仁左衛門は苦労もするが明るいのに対し、偶数の仁左衛門は悲劇の役者となること。五世、六世の歌右衛門の政治力のすごさなど。

そして、第五代歌舞伎座では間違いなく十八代中村勘三郎の時代が到来するはずだったのに、と改めて思う。

23:50 歌舞伎本 | コメント(0) | トラックバック(0)

「天使のナイフ」 薬丸 岳

2013/11/11
生後五ヵ月の娘の目の前で妻は殺された。だが、犯行に及んだ三人は、十三歳の少年だったため、罪に問われることはなかった。四年後、犯人の一人が殺され、檜山貴志は疑惑の人となる。「殺してやりたかった。でも俺は殺していない」。裁かれなかった真実と必死に向き合う男を描いた、第51回江戸川乱歩賞受賞作(「BOOK」データベースより)。

天使のナイフ (講談社文庫)

巡り巡っているとはいえ、少年少女たちが人を殺しすぎ。少年法への筆者の思いがそのまま記されており、窮屈。プロットを考え抜いているのはわかるが、切り貼りした印象。

18:58 日本・小説(新) | コメント(0) | トラックバック(0)
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