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「静かな大地」 池澤 夏樹

2012/08/03
短い繁栄の後で没落した先祖たちのことを小説にするのは、彼らの物語を聞いて育ったぼくの夢だった--明治初年、淡路島から北海道の静内に入植した宗形三郎と四郎。牧場を開いた宗形兄弟と、アイヌの人々の努力と敗退をえがく壮大な叙事詩。著者自身の先祖の物語であり、同時に日本の近代が捨てた価値観を複眼でみつめる、構想10年の歴史小説。第3回親鸞賞受賞作(「BOOK」データベースより)。

静かな大地

アイヌの人たちは、真の意味で自然と共存する。

例えば狼との共存。
「狼はアイヌと同じように鹿を獲って食べます。
その意味では競争相手なのですが、
しかし、昔は争わなくてもいいほど鹿はたくさんおりました。
鹿を獲りに行くと、狼たちを見かけることもあります。
お互いに敬意をもって遠く見合うという仲でありました。」

人間も狼もともに自然の一部。だから互いに相手を敬いあう。
狼と人間が獲物を分け合うという意識。
自然を支配できると思う者たちが到底及ばない優しさがある。

そして「和人」のアイヌの人たちに対する行い。
支配する力があると信じる者の剥き出しのエゴにより破壊されるものがある。

09:15 日本・小説(新) | コメント(0) | トラックバック(0)
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