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杮葺落六月大歌舞伎 第一部

2013/06/04
6月5日、六月歌舞伎初日から数えて3日目の舞台を観劇。今回は一部二部ぶっ通し。

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其俤対編笠
一、鞘當(さやあて)


不破伴左衛門:橋之助/名古屋山三:勘九郎/茶屋女房お駒:魁春

二人の男の渡りぜりふが響き合う絢爛たる名場面
 桜満開の吉原仲之町。稲妻の模様の羽織着流しの不破伴左衛門と、濡れ燕の羽織と小袖の名古屋山三がやってきます。二人はすれ違い際に、互いの刀の鞘が当たったことから斬り合いになりますが、茶屋女房が留めに入って、その場を収めます。 様式美に富んだ歌舞伎味溢れる一幕をご覧ください(公式HP)。
 

「恋の鞘当て」は、恋がたきどうしが争うこと。また、その争い。この言葉はこの「鞘當」というお芝居からきている言葉だそう。

最初に「鉄棒引き」が登場すると筋書きにあったが、意味が分からない。読んで字の如く、鉄棒を引く人のことをいう。ただし、「かなぼう」と読む。

不破伴左衛門と名古屋山三元春の衣装に注目。不破は黒地に「雲に稲妻」。すごーく派手な風呂敷?猛々しい印象。名古屋山三は縹色(はなだ色)地に「雨に濡れ燕」。縹色とは、明度が高い薄青色のこと。こちらは端麗な美青年風。

二人とも衣装通りの役柄。ずっと被っている網笠をとるのが待ち遠しいったら。橋之助はこういう華麗でいなせ役がはまってる。勘九郎は丁寧に台詞を一つ一つこなしているところがイイ。役柄にも合っている。魁春さんが仲裁する三人の決めポーズも決まっている。

「鞘當」は、「俳優の容姿と歩く芸、話す芸をみせようとするお芝居」らしい。そこまでに至ってはいないと思うが、十分満足。また近い将来この二人で観たい。

二、喜撰(きせん)

喜撰法師:三津五郎
所化:秀調/亀三郎/亀 寿/松 也/梅 枝/歌 昇/萬太郎/巳之助/壱太郎/新 悟/尾上右近/廣太郎/種之助/米 吉/廣 松/児太郎/鷹之資
祇園のお梶:時 蔵

六歌仙の一人、喜撰法師の洒脱な味わいの舞踊
春爛漫の京都の東山へやってきた喜撰法師は、茶汲女の祇園のお梶を口説きますが、お梶はあっさりと喜撰を振って立ち去ります。やがて喜撰は迎えにやってきた弟子の所化たちと賑やかに踊ると庵へと帰って行くのでした。六歌仙の一人、喜撰法師を軽妙な舞踊仕立てで描く一幕をお楽しみいただきます(公式HP)。
 

百人一首「わが庵は都の辰巳 しかぞすむ 世をうぢ山と人はいふなり」の喜撰。「しか」を「鹿」と昨日まで思っていた私に語る資格はあるのか。ま、よしなに。

事前にこの舞踊の歌詞の解説をしているブログを読み、百人一首の喜撰は何処へやら。色に走ったお坊さんというイメージに180度転換。実際その通り。三津五郎演ずる喜撰は、花道の出の時点ですでに艶っぽさ全開。宇治山になんて絶対行ったことなさそう。

「ちょぼくれ」がどれかも分からなかったけど、三味線のリズミカルな音に合わせて楽しそうに踊る喜撰はみているだけでも楽しい。誰も喜撰が踊るのをとめられない。時蔵さんはいつもの上品そうな様は影をひそめ、気が強いお姉さん風。所化の皆さんの区別がつかなかったのが残念。

・・・お芝居は3階席でもいいけど、踊りは近くで観たいと改めて思った。三津五郎さんの喜撰、近くで観たらもっと圧倒されるのだろう。

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平家女護島
三、俊寛(しゅんかん)


俊寛僧都:吉右衛門/丹波少将成経:梅玉/海女千鳥:芝雀/平判官康頼:歌六
瀬尾太郎兼康:左團次/丹左衛門尉基康:仁左衛門

絶海の孤島に残された男の悲哀
 鬼界ヶ島に流罪となった俊寛僧都、平判官康頼、丹波少将成経は、流人の生活に疲れ果てています。そんな俊寛を喜ばせたのは、成経が島に住む海女の千鳥と夫婦になること。日頃の憂いを忘れて喜び合う三人。そこへ都からの赦免船が到着し、上使の丹左衛門尉基康と瀬尾太郎兼康が現れ三人の赦免が告げられますが、千鳥の乗船は許されません。悲嘆にくれる千鳥を見て俊寛は…。 俊寛の孤独と悲劇を描く近松門左衛門の名作をご堪能ください(公式HP)。
 

待ってました(笑)。すっかり吉右衛門びいきの私。

たぶん俊寛をみるのは3回目。1回目は高校の歌舞伎鑑賞教室。国語の授業で俊寛を読んだ後、観に行った。同級生が教科書と歌舞伎の俊寛の性格の違いをしっかり指摘していて感心したのを覚えている。なーんにも授業を聞いてなかったんだろう、私。

それはともかく、3回目にしてようやく筋を把握。とてもよかった。やはり吉右衛門様のおかげ。まず登場。もう本当によろよろ。目をそむけたくなるほどよろよろよろ。それだけですでに衝撃。

成経が妻として迎える千鳥を紹介したときの俊寛。むごい状況の中でも心に平安をもたらすことのできる人を見つけたことの喜び。千鳥を本心から娘とする誓い。その通り、自ら島に残るため闘い、守り抜く。あと、妻が死んだことを知り悲しみ嘆く俊寛。

一つ一つの俊寛の気持ちが痛いほど伝わってくる。まさに熱演。

最後に俊寛が手を伸ばすシーンは都への未練を表していると思っていたが、今日の俊寛は最後の最後でひどく冷静な顔。諦念というより悟り。娘となった千鳥を守り通した俊寛にふさわしい表情。

梅玉さんは勧進帳の義経、歌六さんは五月の「梶原平三誉石切」の六郎太夫のイメージが強く、康頼・成経を演じているのが嘘のよう。芝雀さんの千鳥はお転婆そうで下々の人という感じ。「賤しい海女の身」という設定どおりか。左團次の瀬尾はいじめっ子。いじめっぷりに観客が沸く。仁左衛門の丹左衛門。筋書きでは瀬尾と一緒に出てくるはずが、後から登場。船に乗り遅れたのかと思った。正義感が強そう。全体が締まる。

大満足。俊寛は苦手だったのに、今は、また観たい。

22:08 鑑賞記録 | コメント(0) | トラックバック(0)
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