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七月花形歌舞伎 夜の部

2013/07/08
通し狂言 東海道四谷怪談

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  序 幕 浅草観音額堂の場、宅悦地獄宿の場、浅草暗道地蔵の場、浅草観音裏田圃の場
  二幕目 雑司ヶ谷四谷町伊右衛門浪宅の場、伊藤喜兵衛内の場、元の伊右衛門浪宅の場
  三幕目 本所砂村隠亡堀の場/大詰 滝野川蛍狩の場、本所蛇山庵室の場

お岩☆佐藤与茂七☆小仏小平:菊之助/直助権兵衛:松緑/奥田庄三郎:亀三郎/お袖:梅枝/お梅:右近/四谷左門:錦吾/按摩宅悦:市蔵/後家お弓:萬次郎/伊藤喜兵衛:團蔵
民谷伊右衛門:染五郎

運命に翻弄される男女と亡霊の怨念を描く怪談物
忠臣蔵の世界を背景に、時代に翻弄される市井の人々の暮らし、陰惨な殺人と死霊の恨みを描いた怪談物の傑作です。典型的な色悪の役柄である民谷伊右衛門に陥れられた妻のお岩は「髪梳き(かみすき)」の場面で怒りを表します。死霊の怨念を描く場面での「戸板返し」「提灯抜け」などの仕掛けもみどころです。また、幻想的な「蛍狩」の場面は歌舞伎座では実に三十年ぶりの上演となります。鶴屋南北の代表作をご堪能ください(公式HP)。

二日連続、7月花形歌舞伎。「東海道四谷怪談」をFさん、Hさんと。夏といえばお化け(?)。怖くて観に行けなという人の話もきいたので、期待して観劇。

でも、全然怖くなかった。お岩さんのメークも背筋が凍るようなものではなく、事前に本で見たお岩さんの写真の方がよっぽど怖い。納涼を得られる演目ではないのだね。

だけどとても楽しかった。

まず菊之助がいい。演技がとても丁寧。お岩さんが毒薬を飲むシーンにたっぷり時間をかける。観客は「飲んじゃだめー!(だけど飲むんだよね)」と心の中でつぶやきながらみている。お岩さんと観客の心の鬩ぎ合い。

鉄漿をつける場面も髪鋤の場面も丁寧に丁寧に醜くなっていく。その丁寧さは、夫伊右衛門への恨みが徐々に積み重ねられていくことの表れか。

「薬くだせえ」の小仏小平はもっと下衆な感じでもいいかも。与茂七は正統派二枚目。きれい。早変わりがもっと印象に残ると思ったけど、そうでもない。だけど、戸板返しでお岩さんから小平、そして与茂七になるのはさすが。恨みつらみのある幽霊二人が出た後、最後に幽霊でない二枚目与茂七が登場するとホッとした。

松緑の直助。悪人だけど威勢のよい若者。口跡も良い。松緑は世話物の方が向いている。

染五郎の伊右衛門。これまでの染五郎とは少しイメージが違う。気の小さいDV男。影のあるイケメンという役に口跡も含めて近づいている。

梅枝のお袖。可愛かった。昼の部でも大役をもらっていたし、おされている?世話物の一途な若い女性として遜色なし。

右近のお梅。伊右衛門に惚れていることを全身で表すんだけど、可愛いというかなんというか。まだ堂に入るところまではいっていない。綺麗ではある。

亀三郎の奥田庄三郎。今回初めて認識したイケメン。早くに殺され残念。今後要チェック。

片岡市蔵の按摩宅悦。亀蔵さんのお兄さん。お岩さんが相好を崩しておどろおどろしいはずの場面も笑いにもっていく役回り。笑いに持っていくこと自体に驚いた。コミカルな演技がうまい。

そして忘れちゃいけない中村屋の小三山さん。91歳。地獄宿のおかみ役。場面が引き締まる。口跡が立派。若い役者さんに見習ってほしい。按摩宅悦や地獄宿のおかみが芸達者だからこその四谷怪談。

緑の中の立ち回りが美しい。そして最後の切り口上でびっくり。伊右衛門が討たれるまでやるんだと思っていたら、与茂七と伊右衛門が正座していきなり仲良くご挨拶。さっきまで討ちあっていたのに。切り口上の背景、登場人物まで美しく、未だに残存が目に映る。

四谷怪談は何度見ても飽きない演目になるかも。他の配役でまた観たい。

最後に、今回歌舞伎座のバリアフリーを大いに活用。職員の皆さんにとても親切にしていただいて大変ありがたかったし嬉しかった。感謝です。

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木挽町広場のポスター。

23:15 鑑賞記録 | コメント(0) | トラックバック(0)
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