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平成25年度巡業中央コース「番町皿屋敷」「連獅子」

2013/07/28
円覚寺を満喫した後、鎌倉芸術館へ。大船駅から歩いて10分のところにあります。駅でお弁当を買って無事到着。

一、番町皿屋敷(ばんちょうさらやしき)

青山播磨:中村吉右衛門/腰元お菊:中村芝雀/並木長吉:中村種之助/橋場仁助:中村隼人
放駒四郎兵衛:中村錦之助/渋川後室真弓:中村歌六

 赤坂山王神社では、旗本で白柄組の青山播磨が、敵対する町奴の幡随長兵衛の子分から喧嘩を売られ、一触即発のところを播磨の伯母がこれを納めます。血気盛んな播磨のことを心配する伯母は、播磨の縁談を勧めようとします。しかし、播磨は腰元お菊と恋仲の関係で、その気はありません。 他方、播磨の屋敷では、縁談の噂話を聞いて不安になったお菊が、播磨の本心を確かめようと、家宝の皿を割ります。最初はお菊を許す播磨ですが、その後、お菊が故意に皿を割ったことを知った播磨は、自分の心を試されたことが許せず、お菊を手討ちにします。 皿屋敷伝説を踏まえながらも、近代の恋愛物語として新たに作られた岡本綺堂の新歌舞伎をお楽しみください(公式HP)。

岡本綺堂作。お皿を「1ま~い、2ま~い」と数えると聞き、怪談話と信じ込んでいた。が、「皿屋敷」にもいろいろあり、番町皿屋敷は、怪談ではない。男が自分を愛しているか不安になった女が皿を割る。それを知り男は自分が女を思う気持ちを疑われたことがショックで、女を殺める。そのとき、こんな皿などなんでもないわい、ということで割るときの、「1ま~い、2ま~い」。ふ~ん。

他の歌舞伎で、君主に忠義を果たすために、子を差し出す話などがあるせいか、こんな理由で女を殺してしまうのか、ということにやや愕然。女は愛を確かめたがるってか。

それでもお芝居は楽しめた。円覚寺散策疲れで若干の睡魔に襲われていたが、吉右衛門演ずる青山播磨の登場ですっきり。この人の舞台の空気を変えてしまう力は何なのだろう。恋中の芝雀演ずるお菊を大切にする情愛、豪放磊落さ。お菊がうらやましくなる。原作で女を殺す理由には納得できないものの、お菊を思う気持ちをこれだけ見せられれば、心を疑われたがために殺害してしまうのもそれなりの説得力。

芝雀さん、痩せた?母親に自分を紹介してもかまわないと播磨に言われ喜ぶところが愛らしい。中村歌六さんの女形、初めてみた。立役の老け役ばかりを思い出すが、女形もできる人ということがわかった。播磨、イケメンですね。

二、三代目中村又五郎
  四代目中村歌 昇 襲名披露 口上


歌昇改め中村又五郎/種太郎改め中村歌昇/中村吉右衛門/幹部俳優出演

 平成23年に三代目中村歌昇が三代目中村又五郎の名を、四代目中村種太郎が四代目中村歌昇の名を襲名いたしました。播磨屋一門にとって大切な名跡を継承することになった又五郎と歌昇親子が、襲名披露の御挨拶をいたします(公式HP)。

幕間に大船駅で買った手まり寿司を大急ぎでパクつく。休憩20分。あっという間。

「親戚の一人として」皆さん口上を述べていた。ほぼ全員が親戚を強調。歌舞伎界の血は今更ながら濃い。吉右衛門が正義の味方と言っていたのは聞き間違いなのだろう。口上は楽しい。役者さんの素の部分が垣間見える。

三、連獅子
狂言師右近/後に親獅子の精:歌昇改め中村又五郎
狂言師左近/後に仔獅子の精:種太郎改め中村歌昇
僧遍念:中村種之助、僧蓮念:中村米吉

 文殊菩薩の浄土と言われる唐の清涼山に架かる石橋にやって来たのは、狂言師の右近と左近の親子。手獅子を携えたふたりは、親獅子が仔獅子を千尋の谷に突き落とし、這い上がってきた子だけを育てるという故事を踊ります。 その後、ふたりの旅僧が現れますが、互いの宗派が違うことがわかると宗論を始めます。やがて、親子の獅子の精が現れ、獅子の狂いを勇壮に舞い納めます。この獅子の毛振りが見どころの長唄舞踊です(公式HP)。

いよいよ襲名披露した主役二人の連獅子。又五郎さんも歌昇さんも気合十分。親獅子が子獅子を突き落とす場面をようやく理解する。後半。歌昇さんは元気いっぱいの毛ぶり。早すぎて親獅子と毛を振る速度が少々合わないのもご愛嬌。又五郎さんは親獅子らしい、綺麗な毛ぶり。迫力。又五郎さんの口跡はいつも聞いていて気持ちが良い。今後がとても楽しみ。

途中の中村種之助、中村米吉のお坊さん。法華僧と浄土宗が張り合うという設定に驚く。宗教の争いを描いた台本というのが面白い。ともに平成5年生まれ。若い。でも、声変わりしたてと思いきや、もう20歳。まだまだ声を鍛えている最中なのだろう。米吉の踊りの方が柔らかくて好きかな。でも種之助の方が上手いと思えるところも。切磋琢磨してがんばれ!

鎌倉芸術館は花道はないけれど、とても綺麗な劇場。久しぶりに鎌倉に行くこともでき、ちょっとした旅行をした気分。地方巡業も結構楽しい。

23:21 鑑賞記録 | コメント(0) | トラックバック(0)
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