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「主税と右衛門七」「弥作の鎌腹」「忠臣蔵形容画合」

2013/12/16
今年の歌舞伎の見おさめは、母と二人で国立劇場の「知られざる忠臣蔵」。「主税と右衛門七」「弥作の鎌腹」「忠臣蔵形容画合」。忠臣蔵のスピンオフ版。諸般の事情で5列目花道横という嬉しい席。

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「主税と右衛門七(ちからとえもしち)」 一幕三場 ―討入前夜
第一場 大野屋呉服店の離れ座敷、第二場 大野屋母屋の一座敷、第三場 元の離れ座敷。
矢頭右衛門七:中村歌昇/大石主税:中村隼人/娘お美津:中村米吉/大石内蔵助:中村歌六

前半、眠かった・・・。討入に参加する前夜の歌昇の矢頭右衛門七と隼人の大石主税。そこに右衛門七に惹かれる米吉の娘お美津と右衛門七の恋模様をからめている、単純なストーリー。

若手はまだまだですな。歌舞伎がかった台詞廻しがないと、ごく普通の現代劇。まるで若い男女の痴話げんか。お美津が「右衛門七様ったら、もう知らないっ!」とか言ってそうな。最後に歌六の大石内蔵助が出てきて一気に歌舞伎らしくなった。台詞まわしも所作も全然違う。歌六さんの凄さを実感して終わった。

二幕目、「弥作の鎌腹(やさくのかまばら)」
いろは仮名四十七訓から秀山十種の内の1つ。忠臣蔵外伝物の代表作。
百姓弥作:吉右衛門/千崎弥五郎:中村又五郎/百姓畦六:澤村由次郎/百姓田吾作:大谷桂三/柴田七太夫:嵐橘三郎/弥作女房おかよ:芝雀

百姓弥作役の吉右衛門が、弟千崎弥五郎又五郎から討入計画を打ち明けられたが、弟の縁談を断るため代官柴田七太夫に秘密を漏らしてしまう。訴え出ると騒ぎ出した代官を弥作は鉄砲で撃ち殺し、鎌で腹を切る壮絶な最期を遂げる、というストーリー。

吉右衛門好きの私としては、細かい所作、表情を真近で見られて夢のよう。切腹のやり方を細かく弟にきく場面は痛ましいけど、笑わせてくれた。そして切腹の場面は痛ましい。

おかしみのある吉右衛門の台詞まわしを、弟役又五郎さんのはっきりした口跡で締めており、バランスが良い。弥作の女房芝雀さん、痩せた?化粧のせいか。弥作と恋女房の仲睦まじい様子が微笑ましく描かれているからこそ、弥作の悲惨な最期が際立つ。柴田七太夫役の嵐橘三郎さんも嫌な役が決まってた。

忠臣蔵形容画合(ちゅうしんぐらすがたのえあわせ)―忠臣蔵七段返し― 竹本連中・清元連中・長唄連中 
大序鶴ヶ岡八幡宮社頭の場、二段目桃井若狭之助館の場、三段目足利館門外の場、四段目扇ヶ谷塩冶判官館の場、五段目山崎街道の場、六段目与市兵衛内の場、七段目祇園一力茶屋の場

大星由良之助:中村吉右衛門/斧定九郎、与市兵衛:中村歌六/遊女おかる:中村芝雀/高師直、奴武平:中村又五郎/寺岡平右衛門:中村錦之助/狸の角兵衛:中村松江/桃井若狭之助、奴桃平、めっぽう弥八:中村歌昇/塩冶判官、奴半平、種ヶ島の六蔵:中村種之助/腰元おかる:中村米吉/腰元吉野:大谷廣松/早野勘平:中村隼人/大星力弥:中村鷹之資/おかや:中村東蔵/顔世御前:中村魁春

とても豪華な俳優陣で六十年ぶりに復活した演目。忠臣蔵大序から七段目までやるってどういうこっちゃ、かるーく舞踊かな、と思いきや、始まる直前にタイムテーブルをみたら1時間20分!あわてて最中を買ってお腹の準備。

大序は本物とほぼ同じ内容だが、高師直、桃井若狭之助、塩冶判官が場面が変わり、衣装を早替えして奴となり踊りだす。

五段目山崎街道の場では、歌六さんが殺す斧定九郎と殺される与市兵衛の一人二役の早変わり。最後に斧定九郎が花道のすっぽんに落ちる場面で、完全に歌六さんと目が合う。お化け屋敷でお化けに遭遇し固まった気分。怖かったよ。

四段目扇ヶ谷塩冶判官館の場で、顔世御前の魁春さんの妖気。力弥役の鷹之資くん、踊り、所作にすでに富十郎さんの面影。とてもきれいでした。

六段目与市兵衛内の場、勘平の隼人はそれなり。米吉のおかるは可憐。「主税と右衛門七」みたいな普通の芝居でなく、歌舞伎がかった芝居なら十分若手でも魅せてくれる。

七段目祇園一力茶屋の場、人形を演ずる、遊女おかるの芝雀と寺岡平右衛門の錦之助。芝雀さんが最後にぴょんと飛び上がるところ、黒子さんも含めてお見事。

11月、12月と歌舞伎座で忠臣蔵をみているからこそ、楽しめた演目。

09:02 鑑賞記録 | コメント(0) | トラックバック(0)
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