06月≪ 12345678910111213141516171819202122232425262728293031≫08月

スポンサーサイト

--/--/--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

--:-- スポンサー広告

三月歌舞伎座鳳凰祭「加賀鳶」「勧進帳」「日本振袖始」

2014/03/25
3日連続歌舞伎鑑賞、最終日です。

実は、3月14日にすでに歌舞伎座夜の部を3階B席で鑑賞済み。しかし、勧進帳があまりにすごかったので、本日3月24日(月)、1階席で再度鑑賞。感想をまとめて。

一、盲長屋梅加賀鳶  「加賀鳶」 本郷木戸前勢揃いより赤門捕物まで
天神町梅吉/竹垣道玄:幸四郎/女按摩お兼:秀太郎/春木町巳之助:橋之助/魁勇次:勘九郎/虎屋竹五郎:松江/盤石石松:歌昇/数珠玉房吉:廣太郎/御守殿門次:種之助/昼ッ子尾之吉:児太郎/お朝:宗之助/伊勢屋与兵衛:錦吾/金助町兼五郎:桂三/妻恋音吉:由次郎/天狗杉松:高麗蔵/御神輿弥太郎:友右衛門/雷五郎次:左團次/日蔭町松蔵:梅玉

まず、本郷通の「勢ぞろい」の場。加賀鳶と定火消しが喧嘩するのを鳶頭の梅吉(幸四郎)がとめる。1階でみると花道で顔が一人ひとり見えて、やっぱりいいねえ(当たり前)。一人ひとり繋げていく七五調の台詞(ツラネ)をきく幸せ。

橋之助。目立つ役なのだろうが、きっぷのよい口跡も伸びやかな所作も一番素敵でほれぼれ。橋之助の次に並ぶのが児太郎。勘九郎の次なので、ちょっと浮く。本当は襲名披露月だったので特別枠?そして勘九郎。かっこいいなあ。最近アイドル的に勘九郎が好きだ。台詞がないとき、ほかの鳶たちは少し目線が上、落ち着いた表情。でも勘九郎は真正面を見据え、しかもずっと睨み付けてて、それがちょうど私と同じ目線の位置。何度も目が合いどぎまぎ・・・(←アホ)。若手では歌昇の口跡がよかったな。ベテランの高麗蔵さん、友右衛門さん、左團次さんの口跡はさすがです。

そして本編。

幸四郎の芝居を1階で見る機会があまりなく、楽しみにしていた。加賀鳶の道玄。目の見えない悪党の役という意味では、「不知火検校」と同じ。だが、今回の道玄は憎めないおかしみのある役。悪党といっても小悪党レベル。検校と道玄。どちらも幸四郎のニンだったと思う。悪党向き?あと、幸四郎の顔って暗く感じるのだが、盲目の設定だとそれが半減されるし(まあ道玄は見えているんだが)。坊主頭の役が似合うのか?

芝居そのものも、むしろ滑稽。楽しい世話物。主役の道玄は、通りすがりの人を殺害したり、妻を虐待したり、姪を売っぱらったりする。でも、そんなひどい悪党にみえない。愛人お兼とのやりとりは笑えるし、松蔵にやり込められて、すごすご帰っていく場面もちょっとかわいい。だんまりで道玄のはげ頭で手が滑ったり、道玄をお縄にしたのに、「俺だ俺だ」といって逃げる台詞は笑えた。

秀太郎のお兼。3階でみたときは胸がはだけて下品すぎと思った。まあ、そういう役ではある。ただ、1階でみるとそうでもない。秀太郎さんは一癖ある女の役しか見たことないかも。優しい奥さん役とかみてみたい。

宗之助のお朝。お目目パッチリで器量よし。ドラマのお母さん役の人みたいだ。梅玉さんの松蔵。鳶をいさめたり、道玄をやりこめたり、兄貴らしい。錦吾さん、分別のある旦那の伊勢屋与兵衛。

最後の捕物まで楽しめる演目でした。

二、歌舞伎十八番の内 勧進帳
武蔵坊弁慶:吉右衛門/富樫左衛門:菊五郎/亀井六郎:歌六/片岡八郎:又五郎/駿河次郎:扇雀/太刀持音若:玉太郎/常陸坊海尊:東 蔵/源義経:藤十郎

衝撃度は1階より、3階で観たときの方が上。きっと1階で放たれるオーラが2階、3階に伝染するんだと思う。最初の出、3階からは、花道で四天王のうち二人しか見えない。弁慶も義経も声が聞こえるだけ。なのに、泣きたくなるくらいのオーラ。静まり返った客席。

花道で藤十郎演ずる義経が声を発するだけで、その地位の高さが分かる。まず主人義経の地位があり、その主人を弁慶と四天王が守る。義経の役割を最初に観客に理解させるのは「勧進帳」の必然。

舞台中央に吉右衛門の弁慶登場。命をかけて義経を守ろうとする弁慶の思いが、吉右衛門のその視線で、手を広げる所作で伝わる。

対する富樫。菊五郎の富樫は厳しい。関守としての役目をこれまた命をかけて果たす。命がけて職務を忠義を全うしようとうする者たちの闘い。その象徴が「勧進帳」読み上げと「山伏問答」。真の山伏か確かめるようと問い詰める富樫に対して、よどみなく応え気迫でこの難所を潜り抜けようとする弁慶。二人の気迫がすごく、一触即発。

関所を通過できそうなとき、富樫が怪しい強力に気づく。再び漂う緊迫感。気勢をあげて義経を守ろうとする四天王たち。それをおさえ義経を杖で打つ弁慶。忠義を果たすためとはいえ、身を引き裂かれるより辛い主君への殴打。

富樫は一行を通すが、義経と見破ったのはその直前。今日の菊五郎の富樫を見た限りではそう思った。弁慶、富樫。二人の関係は対等だが、忠誠を果たそうとする弁慶の念に打たれ、その忠誠心を全うさせる決意。

感情むき出しに、主君を打ったことをわびる吉右衛門の弁慶。その弁慶を優しく、でも高貴な品性は失わず許す藤十郎の義経。

最後の引っ込み。自分の主を打ってまでも、義経を守ろうとする弁慶を称え見送る富樫。そんな富樫に感謝し、深く一例する弁慶。言葉に出さないものの、二人の間にみえる強い絆。互いに相手を尊重しあってこその富樫と弁慶。

吉右衛門の弁慶は熱く、花道から全開で義経を守りきろうとする。口跡、天を仰ぎ見る視線、延年の舞、飛び六法。すべてがその思いに貫かれている。見る側はその思いに圧倒される。

その弁慶に応える菊五郎の富樫。菊五郎は、弁慶によって富樫のありようを変えているらしい。吉右衛門の弁慶が熱いからこそ、菊五郎の富樫もそれに応えているのだと思う。口跡はすばらしく山伏問答は圧巻。強力こと義経を留めるときの手を上げる見得は天を切ってた。

藤十郎の義経。ずっと座っているのに、全くゆらぎないその存在感。金剛杖をもった両手は、右手も左手も長い間本当に微動だにしない(1階2列目で確認)。そして「判官、おん手を、取り給い」。手前に差し出でたその右手で全てを許す(ここで後見の翫雀さんに気づきびっくり)。

そして、最強の四天王。歌六さん、又五郎さん、扇雀さん、東蔵さん。みんな気迫全開。結構逞しい面々。今、これ以上の四天王はありえないでしょう。ただ、東蔵さんのお化粧、茶色いエクボというか、皺。濃すぎない?可愛いんだけどね。

人間国宝そろい踏みで本当に贅沢な勧進帳。1階2列目はやはり近すぎた。3階とどちらが良席かは即答不可。

三、日本振袖始 大蛇退治
岩長姫実は八岐大蛇(やまたのおろち):玉三郎/稲田姫:米吉/素盞嗚尊(すさのおのみこと):勘九郎

米吉さん、とてもかわいい。狸顔でぽっちゃりしていて、従順そうな昔ながらのアイドル顔。男性からの支持に期待できそう(そうか?)。女形というより、女の子を見ている気分。

玉三郎さん、赤い振袖、お似合いです。でも、なんかインパクトが薄い。お酒を飲んで酔っ払って、そこから先ふらふらしていた理由がよく分からなかった。退治される最後の断末魔の悲鳴は耳に残る。

大薩摩のあと、登場する勘九郎。キレッキレ。手の動き、足さばき、立ち回り。とにかくすべてがキレッキレ。最高。今あの世代では踊りといえば勘九郎なのでは。八岐大蛇を倒したその杖をいつかは金剛杖に持ち替えて、義経を打ってほし・・・。

長屋、安宅関、八岐大蛇のいる出雲の国。三つの世界にトリップできた夜の部。特に勧進帳。富樫が弁慶、義経を通した瞬間に立ち会った気がする。杮落としの締めくくりにふさわしい舞台。


中村吉右衛門の歌舞伎ワールド (小学館フォトカルチャー)中村吉右衛門の歌舞伎ワールド (小学館フォトカルチャー)
(1998/11)
中村 吉右衛門

商品詳細を見る


01:46 鑑賞記録 | コメント(0) | トラックバック(0)
コメント

管理者のみに表示

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。