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五月團菊祭夜「矢の根」「極付幡随長兵衛」「春興鏡獅子」

2014/05/19
一、歌舞伎十八番の内 矢の根

曽我五郎:松緑/大薩摩主膳太夫:権十郎/馬士畑右衛門:橘太郎/曽我十郎:田之助

初めてみた。つけがいっぱい響く歌舞伎らしさ全開の演目。

松緑の曽我五郎。まず顔が豪快。「筋隈」の隈取に、「車鬢」(頭の両側の部分の毛(=鬢(びん))を束ねて数本に分け、油などで顔の外側に張り出すように固めたもの)。衣装も豪快。ごついよろい(?)にごつい帯。そして元気いっぱいのやんちゃ坊主。「やっとことっちゃあ、うんとこな」と言いながら、どしんと尻から座ったり。寝るときも力があり余っているから、普通に仰向けに寝るのでなく、リクライニングシートに座るくらいの姿勢で、上半身を後ろに倒し固定。後見さんが支えているけど。そしてもちろん矢の根も豪快。でかい。最後は花道で大根をむち代わりに裸馬を叩き駆け出す。

曽我十郎で久々に田之助様のお姿拝見。短いけど、さすがの存在感。

荒事を理屈抜きに楽しめる演目。でも、もうちょっとやんちゃ坊主感がほしいな、と。

二、極付幡随長兵衛  「公平法問諍」

幡随院長兵衛:海老蔵/女房お時:時蔵/唐犬権兵衛:松緑/出尻清兵衛:男女蔵/極楽十三:亀三郎/雷重五郎:亀寿/神田弥吉:萬太郎/小仏小平:巳之助/閻魔大助:尾上右近/笠森団六:男寅/慢容上人:松之助/坂田公平:市蔵/伊予守頼義:右之助/渡辺綱九郎:家橘/近藤登之助:彦三郎/水野十郎左衛門:菊五郎

劇中劇ではじまる演目。つけを打つ人までちょんまげ、江戸時代の衣装です。

芝居は、生臭坊主、松之助さんの慢容上人まで踊りだしたり、ひっぱたかれたり、なんか面白かった。座頭、坂田兵庫之助公平の市蔵さんは芸達者。黒い衣装も荒事らしくかっこいい。

あと、喧嘩が始まり、劇中劇の役者さんたちが、一瞬にして素に戻る場面も楽しい。みんな本当に役から抜けた顔でニタニタ。大薩摩連中さんまでニタニタして雑談してるからリアル。「困るなあ、せっかくいいところだったのに。兜をかぶせたところからね(大意)」。

そこへ登場幡随院長兵衛、海老蔵さん。うんうん、かっこいい。長兵衛が水野方の人をやっつけたら、上方の御簾から水野十郎左衛門の菊五郎登場。このへんのやり取りで、劇中劇にいるはずの観客に、自分(=歌舞伎座の本物の観客)が一体化していく感覚が面白い。舞台と花道、御簾の中、そして客席の持つ意味づけがうまい具合に転換する。

長兵衛宅では、若手勢ぞろい。私的には尾上右近が大ヒット。女形しか考えられなかったが、立役も似合う。イケメン枠昇格。出尻清兵衛の男女蔵さん、ちょっと癖のある役。そして女房お時の時蔵さん、水野家へ行く長兵衛の着物の準備をしているあたりなど、すべてを覚悟する夫の世話をする姿がいたましい。

しかし、海老蔵。ハラに哀しみを感じないってこういうこと? 女房に着物の準備を手伝わせる場面、若手や松緑の唐犬権兵衛に行くのを止められる場面、子供に戻ってきてねと言われる場面、どれも死を覚悟しているようにみえない。ちょっと博打の真剣勝負してきますって程度。このへんの描写が長い分だけ、うわっすべり感あり。

この感覚は水野家までまで続く。水野家で風呂をすすめられて、表情が変わり、ようやく死の決意が伝わる。ここから先は海老様奮闘。風呂場で振り乱す髪は美しく、立ち回りも見ごたえあり。

菊五郎の水野十郎左衛門、海老蔵の長兵衛と釣り合いがとれるよう、やや抑え気味?でも、水野ってひどくない?殺す理由がわけありとか、正々堂々と殺すならともかく、ひいき目に思える要素が何もない。水野「仕返し」の場までセットで見ないと後味が悪いのかも。

なんかすっきりしない。劇中劇は面白かった。

三、新歌舞伎十八番の内 春興鏡獅子

小姓弥生/獅子の精:菊之助

菊之助の春興鏡獅子です。

弥生はさすが。最初はお殿様の前で恥ずかしそうだったのに、だんだんノッて踊るのがかわいい。獅子の頭に振り回されるあたり、すごくなまめかしい&エロティック。あれはエロいです。獅子頭に本当に引っ張られている。

胡蝶の精登場。名題昇進された胡蝶。子供の胡蝶しか見たことがないので変な感じ。その分踊りは見ごたえあり。

そしてお獅子登場。お化粧も含めて、獅子の精というより本物の獣の獰猛な獅子。野性味あるエネルギー。勢いでなく、毛を美しく見せる舞。ただ勢いある獅子を見慣れているので物足りなさは残る。勢いと美しさどっちをとるか。毛振りカウントはもう癖です。獅子の座にのってからは45回。台に乗る前も含め49回位。

これまでで勘九郎、海老蔵、菊之助の鏡獅子をみたけど、各々個性が出て面白い。後見の右近、きれいでした。

写真右は、五郎が研いでいる「矢の根」。真ん中は「勧進帳」で弁慶が延年の舞で用いる中啓(両面張りの紙扇の一種)。
enomi20140524-01.jpg

01:00 鑑賞記録 | コメント(0) | トラックバック(0)
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