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「新版歌祭文」野崎村のせりふ

2014/10/09
「新版歌祭文」野崎村で好きなせりふ、気になるせりふ、聞きとりたいせりふを集めてみました。名作歌舞伎全集第7巻、舞台を参考に。

・お光が久作にお灸をすえる場面
久作「橙(だいだい)の数は争われぬものじゃな」(中略)「孝行にかたみ恨みのないように、お光よ、そもは三里をすえてくれ」。
お光「そんなら風の来ぬように」。
久作「「艾(もぐさ)も肩癖(けんぺき)も大掴みにやってくれ」。「ついでに七九もやってたもれ」。(中略)「コリャ、明日が日死のうと、火葬は止めにしてもらいましょう」(中略)
久松「イエイエ、よそみはしませぬけれど(トお染へ思い入れあって)。エエ、覗くは悪い、折が悪い悪い」。(中略)
お光「久松さんには振袖の、美しい持病があって、招いたり呼び出したり、憎てらしいあの病づらが入らぬように、敷居の上へ大きゅうしてすえておきたいわなあ」

※橙:正月の鏡餅に乗せる柑橘類は、「代々家が絶えることなく繁昌しますように」という願いを込め、「蜜柑(ミカン)」ではなく「橙(ダイダイ)」という。→年を重ねること。
※「かたみ恨み」=不公平から生じた恨み。 ※肩癖=頸から肩にかけてのあたり。 ※七九=「糸竹」。こめかみ

・久松とお染再会
お染「久松、逢いたかったわいなア」。「わけはそっちに覚えがあろう。わしが事は思い切り、山家屋へ嫁入りせいと残しておきゃった、コレこの文。そなたは思い切る気でも、わしゃ」。

・久作がお夏津清十郎になぞらえて語る場面
久作「お夏清十郎の道行本、嫁入りの極まってある、主人の娘をそそのかすとは、道知らずの人でなしめ」。「なんと命がござりましょう」。

歌舞伎座看板より(十七世、十八世 中村勘三郎さんの追善公演)。
enomi20141007-06.jpg

・久松がお光と祝言をあげると久作の前で言う場面
お染「そんならそなたも」  久松「アノお前様も」。
♪互いに目と目に知らせ合う、心の覚悟は白髪の親仁。
久作「オオ、出来た」。

・お光名セリフまで
久作「ときに一家一門、着た儘の祝言に、改まった綿帽子、うっとしかろう、ドレ取ってやろう」。
♪脱がすはずみに笄(こうがい)も、抜けて惜し気も投げ島田、根よりふっつと切り髪を、見るに驚く久松お染、
久作「コリャどうじゃ」。 ♪言う口押さえ、
お光「アもし、ととさんもお二人さんも、何にも言うて下さんすな。最前から、何事も残らず聞いておりました。義理に迫った表向き、底の心はお二人ながら、死ぬる覚悟でござんしょうがな。」
「サ、死ぬる心で居やしゃんす。母さんの御大病、どうぞ命が取りとめたさ、わしゃもうとんと思い切った。さあ切って祝うた髪かたち、もし、これを見て下さんせ」。
♪見て下さんせと両肌(もろはだ)を、脱いだ下着は白無垢の、首にかけたる五条袈裟、思い切ったる目の中に、浮かむは水晶の、玉より清き貞心に、いまさら何と詞さえ、涙呑み込み呑み込んで、こたゆるつらさ久松お染、久作も手を合わせ、
久作「何も言わぬ、この通りじゃ、女夫にしたいばっかりに、そこらあたりに心もつかず、莟(つぼみ)の花を散らして退けたは」
♪みんなおれが鈍ながら、ゆるしてくれるも口の内、聞こえ憚る忍び泣き。
お光「アア、冥加ない事おっしゃります。しょせん望みは叶うまいと、思いのほかに祝言の、盃するようになって、嬉しかったはたった半時。」

・お染母お常登場
お常「アイヤそれには及びませぬ、母がたしかに受け取りました」。

・お染久松が別れて帰るまで
お常「オオ表向きで受け取ったれば事は済み、あらためて尼御へ布施、せめて娘が冥加じゃわいの。」
(久作が梅の枝を折り) ♪めでたい春を松竹梅と、お家も栄え蓬莱の飾り物、幾久松がご奉公、大事に勤めてこのご恩、忘れぬ証(しるし)に、
お常「心あり気なこの早咲、例えば言わば雨露の、恵みをうけぬ室咲は、萎むも早し香も薄い、盛りの春を待てという二人のよい教訓、ことさら内には口さがない者もあれば、何かに遠慮せねばならぬ。幸いわしが乗って来たあの駕籠で、コレ久松、そなたは堤、お染は舟、別れ別れに戻るのが、世間の手前、心の遠慮」。
久作「オオ、それがよろしゅうござります。サア、久松、そなたは駕籠へ」。
久松「それじゃというて」。  久作「ハテお志じゃ、乗って行きゃ」。 
お常「サア、お染は舟へ」。

・お光久松別れ
お光「お染様ご無事で、兄さんおまめで、もうおさらば」。
久松「とりわけてお光どの、こうなり下るも前の世の定まり事とあきらめて」
お染「よしないわしゆえ、お光さんの縁を切らしたお憎しみ」
♪堪忍してと手を合わせば、
お光「わっけもないお染様、浮世離れた」
♪じゃもの、そんな心を勿体ない、短気起こして下さんすなえ。

00:22 歌舞伎のせりふ | コメント(0) | トラックバック(0)
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