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双蝶々曲輪日記「引窓」のせりふ

2014/10/12
「双蝶々曲輪日記」引窓の場で好きなせりふ、気になるせりふ、聞きとりたいせりふを集めてみました。台本、名作歌舞伎全集第7巻、舞台を参考に。

お早がお幸に廓の言葉をたしなめられる。
お早「オオ、笑止」。
お幸「アアコレ、その笑止はやっぱり廓の言葉」。

長五郎と母お幸再会、お早と対面。
♪待ちかねみやる表の方、頬冠りにて顔隠し、世を忍ぶ身の跡や先、見廻し立ち寄る門の口(中略)。
長五郎「嬉しや、ここじゃ」。(中略)「同じ人を殺しても、運のよいのと悪いのと・・・、こりゃ仕合せなことじゃのう」。

お幸、長五郎を養子に出した経緯を説明。
お幸「年はたけても父親譲りの高頬の黒子」(中略)。
長五郎「イヤ申し母者人、与兵衛がお戻りなされても、わしがことはお話ご無用になされてくださりませ」。「さればいのう、相撲取りと申す者は、人を投げたり放ったり喧嘩同然。勝ち負けの遺恨によっては、侍でも町人でも切りまくり、ぶち殺して」「サア、わしはそのようなことは致しませうが、えて男を立て過ごし、一家一門に難儀のかかることもあるもの。(中略)。随分共に、おまめでお暮らしなされませ」。(中略)「イヤ母者人、もう構うてくださりまするな。わしへの馳走なら欠け椀一膳盛り、つい食べて帰りましょう」。

与兵衛登場。侍になったことを報告。
与兵衛「母者人、女房ども、お聞きなさせませ、こういう訳でござりまする。(中略)「私もあんまり思いがけなさに総身に汗を流しましてござりまする。」(中略)
お早「今日からは私も侍の女房なりゃ。氏神さまへ参るというても、こう禰襠を着て、おふくろ様はお乗物、私は馬に乗って、ハイシドウドウ、ハイシドウドウ」。
お幸「ア、コレ、なんぼ侍の女房じゃとて、女子が馬に乗って良いものかいなア」。
お早「ほんに私とした事が、オオ笑止」。(中略)「左様なればこちの人、ではない、わが夫(つま)、後刻御意得ましょう」。

与兵衛が濡髪を捕らえる事をとめる義母と嫁。
与兵衛「とかく二階が心許ない。(中略)その段そっともお気遣いなされまするな。」(中略)
お早「そりゃお前、ほんの気でござんすかえ」
与兵衛「ハテ、きょうとい物の言い様」(中略)「濡髪を詮議なし、手柄のほどを見せたれば、コレ第一の孝行じゃわい」。
お早「滅相な、長五郎を括らしゃんしたら、大の不孝になりますぞえ」(中略)。「長五郎よりお前は弱い(中略)。どちらに怪我もない内に、止めにしてくださんせ。」
与兵衛「見出しに与る南与兵衛、今までとは違うぞ、言葉返さば手は見せぬぞ。」
お幸「コレ嫁女、何も言わぬ。イヤ、何にも言やんな」。

お早が引窓の紐を引いて閉める。
与兵衛「コリャ、女房、何とする。」
お早「ハテ、雨もぽろつく、最早日の暮れ、灯をともしてあげましょう。
与兵衛「面白し面白し、日がくれたれば与兵衛が役、忍び居るお尋ね者、イデ召し捕って。」
お早「アレ、まだ日が高い」。
♪と引窓がらり、開けて言われぬ女房の心遣いぞせつなけれ。

enomi20141010-05.jpg

お幸が絵姿を買うと申し出。
与兵衛「あなた、なぜ物をお隠しなされまする、私はあなたの子でござりまするぞ。二十年以前にご実子を大坂へ養子に遣わされたと聞きましたが、そのご子息は今に堅固でござりまするか」。(中略)「鳥の栗を拾うようにして貯めおかれしこの銀、仏へあげる布施物を費やしても、この絵姿がお買いなされたいか」。
お幸「未来は奈落へ沈むとも、今の思いに代えられぬわいなア」。
与兵衛「(中略)両腰差せば南方十次兵衛、丸腰なれば今まで通りの南与兵衛。相変わらず八幡の町人、商人の代物、お望みならば上げましょうかい」。(中略)「日の内は私が役目ではござりませぬわい」。

与兵衛が逃げ道を指南。
与兵衛「夜に入らば村々を詮議する我が役目。イやナニ母者人、人を殺めて立ち退く曲者、よもやこの辺りにはおりますまい。大方、河内へ越ゆる抜け道は、狐川を左へとり、右へ渡って山越に、右へ渡って山越に」。
お幸「オオ」。
与兵衛「滅多にそうは参りますまい」。(中略)「アノ長五郎は、いずれにあるや」。

捕らえられる覚悟の長五郎をお幸が諭す。
お幸「この母ばかりか嫁女の志、与兵衛が情けまで無にしおるか、罰当たりめ。(中略)死ぬるばかりが男ではないぞよ」。(中略) ~生きられるだけは「生きてたも。何の因果で科人に」。
(中略)(長五郎、お幸お早が剃刀で前髪を落とそうとするのに抵抗するも)
長五郎「落ちやんしょう、落ちやんしょう。落ちやんす、剃りやんす、落ちやんす、剃りやんす・・・。誤りました、母者人」。

黒子処理。
お幸「濡肝心の見知りは高頬の黒子。これこそは父親の譲り、形見と思えば、わしゃどうも剃り難い。コレ嫁女、こなた剃り落としてくだされ」。(中略)「アア思えば思えば、親の形見まで剃り落とすようになりったか。心がらとは言いながら」。
与兵衛「濡髪、捕った。エイ」。
お早「ヤ、濡髪さん、お前の黒子が取れたぞえ」。
長五郎「ドレ。オオ」。 お幸「これも情けか、忝い」。

尚捕まえてくれという長五郎。
長五郎「一人ならず、二人ならず、四人までも殺した科人、助かる筋はござりませぬ(中略)。形見と思い母者人、お前の手で縄をかけ、与兵衛殿へ手渡しして、ようお礼をおっしゃれや、ヤ、ヤ、そうのうては未来にござる十次兵衛殿へ、こなたは義理が立ちますまいがな」。
お幸「サア、覚悟はよいか。」
長五郎「待ち兼ねておりやんす」。
お幸「濡髪の長五郎を召し捕った。十次兵衛は居やらぬか。受け取って手柄に召され」。(中略)
与兵衛「南無三宝、夜が明けた。身どもの役目は夜の内ばかり、一夜明くれば放生会。生けるを放つ所の法、恩に着ずとも勝手にお行きゃれ」。
長五郎「ヤア、ありゃもう九ツ。  与兵衛「イヤ、明け六ツ」。
長五郎「残る三ツは。  与兵衛「母への進上」。
長五郎「重なるご恩は。  与兵衛「それも言わずに、さらばさらば」。

14:35 歌舞伎のせりふ | コメント(0) | トラックバック(0)
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