05月≪ 123456789101112131415161718192021222324252627282930≫07月

「廓文章」 吉田屋のせりふ

2014/10/16
「廓文章」 吉田屋で好きなせりふ、気になるせりふ、聞きとりたいせりふを集めてみました。名作歌舞伎全集第7巻、舞台を参考に。

伊佐衛門、吉田屋をのぞく。
伊佐「喜佐衛門、内に居やるか。ちょっと逢いたい。喜佐喜佐。

喜佐衛門、伊佐衛門を歓迎。
喜佐「サアお出でなさりませ」  ♪と袖引けば
伊佐「アコレ喜佐衛門、さりとて紙子ざわりが荒い荒い」。
♪引けば破るる、掴めば後に、師走浪人、昔は鑓(やり)が迎いに出ずる。今はようよう長刀の、草履をぬいで編笠の、中の座敷へ通りける。

伊左衛門、こたつで待機。
♪うきと見し、流れの音なつかしや、可愛男に逢う坂の、関よりつらい世の習い。
伊佐「ヨウヨウ弾きおるわ弾きおるわ、あの唄を聞くにつけ、去年の月見は奥座敷で、大夫とわしが連弾(つれびき)で、弾いた時の面白さ。弾くその主は変わらねど、変わったはわしが身の上、あいつが心底、あのような心であろうとは」。
♪思わぬ人にせき留められて、今は野沢の一つ水。
伊左「いかさまなア、恋も情けも世にある時、人の心は飛鳥川、変わるは勤めの習いじゃもの。コリャ思い切って帰りましょう。さりながら喜佐衛門夫婦の志、逢わずに去んではこの胸が
♪済まぬ心の中にも暫し、澄むはゆかりの月の影。

enomi20141016-01.jpg

伊左衛門、障子をのぞく。
清元♪むざんやな夕霧は、流れの音懐かしく、飛び立つ心奥の間の、首尾は朽ちせぬ縁と縁、胸と心の相の山、相の襖も工合よく
♪明け暮れ恋しい夫の顔、見るに嬉しく走り寄り、わが身をともにうちかけに、引き纏(まと)い寄せとんと寝て、抱きしめ締めよせ泣きけるが
夕霧「もうし伊左衛門さん、目を覚まして下さんせ。わしゃ、煩うてな
清元♪疾うに死ぬる筈なれど、今日まで命長らえたは、神仏のひかえ綱、コレ懐かしゅうはないかいな。顔が見とうはないかいなと、ゆり起こしゆり起こし抱き起こせば
竹本♪とって突き退け
伊左「コレそこな夕霧殿とやら、夕めし殿とやら。節季師走にこなたようなひま人ではござらぬ。七百貫目の借銭を負うて、夜昼稼ぐ伊左衛門、こんな時に寝て置かねば寝られぬ。邪魔なされな、惣嫁どの
竹本♪ころりとこけて空鼾(いびき)。
夕霧「コリャお前機嫌が悪いな。身に覚えはなけれども、恨みがあらば聞きましょう。わしゃなんぼでも寝さしはせぬ」。
竹本♪ゆりおこせば(中略)
伊左「コレ侍の足に掛けて蹴られるゝを、万歳傾城というわいのう」。 「しかも足駄はいて蹴るやら」

清元♪夕霧涙もろともに、恨みられたりかこつのは、色の習いといいながら
清元♪それは浮気な水浅黄、逢初めたその日から、そんな縁が唐にもあろか、派手な浮名が嬉しゅうて、人の謗りも世の義理も~
清元♪去年の暮れから丸一年、二年越しに音信なく、それは幾瀬の物案じ、それ故にこの病、やせ衰えた目に見えぬか、煎薬と、煉薬と、針と按摩でようようと、命繋いでたまさかに、逢うてこなんに甘ようと、思うところを逆様な、コリャむごらしい胴欲なこと、恨みかこつぞ道理なり

08:10 歌舞伎のせりふ | コメント(0) | トラックバック(0)
コメント

管理者のみに表示