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「勧進帳」 のせりふ、所作など

2014/11/11
勧進帳で気になるせりふを拾いつつ、「片岡仁左衛門写真集」付属芸談を参考に動きなどをまとめてみました。

花道に5人登場。
旅の衣は篠懸の 旅の衣は篠懸の 露けき袖やしおるらん 時しも頃は如月の十日の夜。月の都を立ち出でて これやこの往くもかえるも別れては 知るも知らぬも逢坂の山隠す 霞ぞ春はゆかしける波路はるかに行く舟の 海津(ここでピーっと笛の音)の浦に着きにけり(弁慶が義経に追いつきお辞儀。裏向きだった5人が客席へ向きを変える)。

義経「いかに、弁慶~」(弁慶、跪いている)(中略)「おのおのの言葉、もだし難く、弁慶が言葉に従い、かく強力とは姿を変えたり。面々計ろう旨ありや」(四天王、力ずくで関所突破しようとするのを弁慶が止める)。
弁慶「やあれ暫く、御待ち候え」(この第一声で弁慶の善し悪しが決まる!力強さが必要)(中略)。「袈裟、兜巾(ときん)をのけられ、笈(おい)を御肩にまいらせて、君を強力と仕立て候(実際は強力の格好は弁慶たちよりみすぼらしいので、申し訳なさそうに。とにかくここは我々に任せて)」。

義経「弁慶、よきにはからい候へ。かたがた、違背すべからず
四天王「かしこまって候」(本舞台へ行ったら鳴り物の近くまで斜めにまっすぐ行き、そこからカギ形にきっちり角度をとって前へ出る)。

舞台中央へ。
弁慶「いかにこれなる山伏の御関をまかり通り候」(奥の人へ呼びかけるように)(中略)。
富樫「何と、山伏の御通りあると申すか。心得てある」(富樫立ち上がる)。

弁慶、富樫に通行できないといわれる。
富樫「近頃殊勝には候へども、この新関は、山伏たるものに限り、固く通路なりがたし」(え?という感じ)。
弁慶「心得ぬ事どもかな(独り言)。して、その趣意は(問いかける)」(中略)。

弁慶「さて、その斬ったる山伏首は、判官殿か」。
富樫「ああら、むずかしや。問答無用。一人も通すこと罷りならぬ富樫座る)」。
弁慶「言語道断」(強く怒る!帝の勅命で寄付を募っているのに通行不能になり任務遂行できなくなる山伏としての怒り)(中略)。「さらば最期の勤めをなし、尋常に誅せられうずるにて候。かたがた近うわたり候へ」。 四天王「心得て候」。

七代目松本幸四郎
enomi20141111-01.jpg

祝詞。四天王を四菩薩に見立て四つ目(正方形)に位置どらせ、弁慶が真ん中で祈る。

勧進帳読み上げへ。
富樫「近頃殊勝の、御覚悟(中略)勧進帳を、遊ばされ候へ。これにて聴聞つかまつらん」。
弁慶「何と、勧進帳を読めと仰せ候や」。
富樫「いかにも」。 弁慶「心得て候」。
もとより勧進帳のあらばこそ。笈の内より、往来の、巻物一巻取りいだし、勧進帳と名付けつつ、高らかにこそ読み上げけれ」。
弁慶「そおれ、つらつらおもん見れば」(詠うように節をつける型あり。ここで天地人の見得。天地人の見得とは、1人が高い場所、もう1人が低い場所でポーズを決める、2人同時に行う見得。気配を感じて弁慶がふと見ると富樫が覗き込んでいるので驚いて巻物を伏せて隠す。弁慶の態度に自信を感じ、富樫は疑うのをやめる)。
弁慶「大恩教主の秋の月は、涅槃の雲に隠れ、生死長夜の長き夢、驚かすべき人もなし(中略)」(勧進帳を読み終わり不動の見得。一巻を巻き上げ、その一巻を剣に見立てて右手で持ち、左手に数珠。片方の目を真ん中、片方を寄せる)。

山伏問答。
富樫「勧進帳、聴聞の上は、疑いはあるべからず。さりながら事のついでに問い申さん。(中略)。袈裟衣を身にまとい仏徒の姿にありながら、額にいただく兜巾(ときん)はいかに」。
弁慶「すなわち兜巾篠懸は武士の甲冑にひとしく、腰には弥陀(みだ)の利剣(りけん)を帯し(たいし)(腰の刀を指す)、手には釈迦の金剛杖にて(手にした一巻を杖に見立てる)、大地を突いて踏み開き(その様を見せる)、高山(上を見る)絶所(下を見る)を縦横せり(その様を見せる)」。
(中略)
富樫「そもそも九字の真言とはいかなる義にや。ことのついでに問い申さん。ささ何と、何と。」(弁慶、富樫がえらいこと訊くと手ごわさを感じる)。
弁慶「九字の大事は深秘にして語り難きことなれども」(と言いつつ総て語る)(中略) 「まだこの上にも修験の道、疑いあらば尋ねに応じ答え申さん。その徳、広大、無量なり」(身体全体で壮大な雰囲気を表す)。「謹んで申すと云々(うんぬん)、かくの通り」。♪感心してぞ・・・。(ここで元禄見得。左足を斜め前に踏み出し、左の数珠の手も前。一貫を持った右手は斜め右だが、手首は下がっている)。

富樫が布施物を贈る。
富樫「(中略)布施物持て」(ここで一息。後見の座に下がって一息)「近頃、些少には候へども、南都東大寺建立の勧進、すなわち布施物、御受納くだされば某が功徳、ひとえに願い奉る」。
弁慶「こは有難の大檀那富樫のために御祈祷。富樫は頭を下げる)」。

富樫、強力を呼びとめ、両者詰め寄り。
富樫「いかにそれなる強力、止まれとこそ」。
♪すわや我が君をあやしむるは、一期の浮沈ここなりと、各々後へ立ち帰る。
弁慶「ヤアレ暫く。慌てて事を仕損ずな」。
四天王三人をまとめていた常陸坊まで斬り死の覚悟で身構えるのを、弁慶が命がけで止める)(中略)。

弁慶、義経を打擲。
弁慶「人が人に似たりとは珍しからぬ仰せ(嘲笑気味に)さて、誰に似て候ふぞ」。
富樫「富樫: 判官殿に似たると申す者の候うほどに、落居の間、とどめ申した」(中略)。
弁慶 「思えば、憎し。憎し、憎し判官殿に似ているからと言われ義経にお前がもたもたしているから、と責める)」。
金剛杖をおっ取って、散々に打擲す金剛杖で三回義経を打つ。義経の笠を三回打つとき、三つ目は実際に笠に当てる。三つ目で義経が前のめりになるための合図)。 
弁慶「通れ」。
♪通れとこそはののしりぬ(金剛杖をトンと突き、右足をトンと踏み鳴らす。この音で緊迫感)。
富樫「いかように陳ずるとも、通す事」 番卒「まかりならぬ」。
弁慶「笈に目をかけ給ふは、盗人ぞうな」(強力の持っている荷物に文句をつけて盗ろうとする盗賊かという文句)。
かたがたは何ゆえに、かほど賎しき強力に太刀刀を抜き給うは、目垂れ顔の振舞い嘲笑)。臆病の、至りかと(詰め寄り。斬りかかろうとする四天王を弁慶が止める。両者押し合い)(中略)。
弁慶「まだこの上も御疑い候はば、この強力、荷物の布施物もろともにお預け申す。いかようとも糾明あれ。但しこれにて(トーンと金剛杖をつく)、打ち殺し見せ申さん(金剛杖を振り上げ義経を殴り殺す形)(中略)」。
弁慶「おお疑念晴らし、打ち殺し見せ申さん」。
富樫「誤まりたもうな。番卒どもがよしなき僻目より、判官殿にもなき人を疑えばこそ、かく折檻もしたまうなれ。今は疑い晴れ候う。とくとく誘い通られよ」(誘いという表現で、弁慶は富樫が承知で見逃すことを知る)。

判官御手を場面。
弁慶が下手に向きを変え、義経と入れ替わるときに目が合うが、申し訳ない気持ちでいっぱい。視線をそらして下手へ控える)。
義経「いかに、弁慶。さても、今日の機転、さらに、凡慮のおよぶべきところに、あらず」(中略)。
弁慶「それ世は末世に及ぶといえども、日月いまだ地に落ち給わぬ御高運、有難し有難し全身全霊で感謝の気持ち)。計略とは申しながら、まさしき主君を打擲、天罰空恐ろしく、千斤も上ぐる、それがし腕もしびるるごとく覚え候。あら、勿体なや、勿体なや大事な台詞。身体全体から滲み出る表現で)。
♪ついに泣かぬ(二つ前へ寄るが、足から出ずに胸から出る。義経への思いが一杯なので低い形)。弁慶の、一期の涙ぞ殊勝なる。判官、おん手を差しのべられた手に気づく取り給い両手を上に向けはーっと敬う)。

十七世中村勘三郎、七世梅幸、二世尾上松緑、
enomi20141111-03.jpg

舞。
♪鎧に、沿いし袖枕。片敷く隙(ひま)も、波の上。ある時は、舟に浮かび、風波に身を任せ。またある時は山石の馬蹄も見えぬ雪の中に、海少しあり夕浪の立ちくる音や、須磨明石(舟を漕ぐしぐさ、中啓を馬に見立て馬に乗っている形、吹雪、弓を射る形等、石投げの見得)。兎角三年の程もなくなく、いたわしやとしおれかかりし鬼あざみ、露に霜おくばかりなり(四天王泣く、弁慶こらえる)。

富樫、酒宴に誘う。
みんなで引き上げようとする)。 富樫「のうのう客僧たち、しばし、しばし」(四天王が義経を匿い後ろへ。弁慶、後ろ中央へ)。

弁慶の酔態。
弁慶「あら有難の大檀那。御馳走頂戴つかまつる」。
♪実に実に、これも心得たり。人の情の盃を、受けて心をとどむとかや。今は昔の 語り草。あら恥ずかしの我が心。一度まみえし女さえ、迷いの道の関越えて、今またここに越えかぬる人目の関のやるせなや。悟られぬこそ浮世なれ。おもしろや山水に。おもしろや山水に。盃を浮かべては、流に引かるる曲水の、手まずさえぎる袖ふれて、いざや舞を舞はうよ。

延年の舞。
弁慶「万歳ましませ、万歳ましませ 巌の上。亀は棲むなり。ありうどんどう」。
♪元より弁慶は、三塔の遊僧(右足を上げながら身体を右に振り、右足を突くと同時に左足をポンと踏む。今度は左足から同様に)。舞、延年の時の若。

去り際。
♪陸奧の国へぞ下りける。(花道七三へ行って、足踏み二つ。富樫を顔を合わせ金剛杖を肩にかける。幕が閉まる。幕外。揚幕を見込んで一行の無事を確認し安堵。改めて富樫に感謝を込めて頭を下げる。三通りのやり方。三回客席を見回し、八百萬の神々に対して心を表現する型、芝居櫓、正八幡にお辞儀をする型等)。(飛び六法。義経を命がけで守る思いを全身全霊に込める)。

11:28 歌舞伎のせりふ | コメント(0) | トラックバック(0)
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