07月≪ 12345678910111213141516171819202122232425262728293031≫09月

スポンサーサイト

--/--/--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

--:-- スポンサー広告

「菅原伝授手習鑑」 筆法伝授のせりふ

2014/11/17
「菅原伝授手習鑑」筆法伝授で好きなせりふ、気になるせりふ、聞きとりたいせりふを集めてみました。名作歌舞伎全集第2巻、舞台を参考に。

・菅原館の場
希世が園生の前に刈屋姫、斎世親王について聞く。
希世「お尋ね申すことがござる。御息女の刈屋姫、斎世の君とにやほやした世間の取沙汰、ご詮議もなされぬは、コリャ親御たちも御合点の上、駆け落ちでござるかな」。
園生「さればいのう。隠しても隠されぬ。さがなき人の口の端に、かかるも是非なき刈屋姫、斎世の君は猶もって、大切なお身の上、互いに忍ぶ恋路の車、巡り逢う瀬もそこそこに、またこちの娘もほんの母様、河内国土師の里、覚寿様方へと心づき、尋ねに人をつかわしましたが、わざと父御にしらせぬは、世の取り沙汰はご存じなく、筆法伝授も過ぎて聞き給わば、さぞやびっくりし給わんと、彼方此方を思いやる、心のうちを推量してたべ」。

花道より源蔵夫婦登場。
♪御台の御座を見るよりも、ハっと畏れて飛びしさり、蹲りたるばかりなり。
園生「(中略)さあさあ二人とも、遠慮に及ばぬ、近う近う」(中略)。
戸浪「冥加至極もないお詞。お主のお目をくらませし、罰が当たって苦労の世渡り。夫婦の着がえも一つ売り、二つも三つも朝夕の、煙りの代になり果てて、ようよう残せしこの小袖は、御台様より下されし、御恩を忘れぬ売り残り」。♪髪の飾りの引き櫛と、変わり果てたる共稼ぎ。「連れ合いは布子の上、糊立たぬ麻裃、今日一日の損料借り。アヽ、おはもじ、ほんにお上に御存じない事まで」♪身の恥顕はす錆刀、今日まで人手に渡さぬ武士の冥加。
源蔵「ハッ、女房が申し上げます通り、昔の不義放埓、思い廻せばご主人の罰」。

・学問所の場
菅丞相、源蔵と対面。字を書くよう指南。
凡人ならざる御有様丞相様登場!)。恐れ敬う源蔵が、五体の汗は布子を通し、肩衣絞るばかりなり。やゝあって仰せには
丞相「さりがたき仔細あって、汝が行方尋ねしに、今の対面満足せり。其の方儀は幼少より我膝元に奉公なし、天性好いたる筆の道、古き弟子ども追い抜き、あっぱれ手書きになるべしと、思ひのほかに主従の、縁まで切れてその風体、筆取る事も忘れつらん」。♪仰せになおも恐れ入り
源蔵「御返答申すは憚りながら、前髪立ちの時分より、お傍近う召し仕われ、手を書く事は芸の司、書けよ習へと御意なされ、御奉公の隙々、書き覚えたと申すも慮外。蚯蚓(みみず)ののたつく様に書く手でも、芸は身を助けとやら、浪人の生業(すぎわい)。鳴滝村にて子供を集め、手習ひ指南仕り、今日まで夫婦の命毛、筆先に助けられ、清書きの直し字、毎日書けども上がらぬ手跡。お尋ねに預かるほどに身の不器用と御勘当、悔むに詮方なき仕合わせ」。♪嘆くをつらつら聞こし召し
丞相「子供に指南致すとは、賤しからざる世の営み、筆の冥加、芸の徳、申す所に偽りなくば、手跡も変わらじ。改むるには及ばねど、認め(したため)置いたる真字と仮字、詩歌を手本に写し見よ」。

希世、邪魔する。
希世「(中略)菅丞相は当年五十二、寄る年を惜しませ給ひ、唐まで誉むる菅原の一流、これまで伝授の弟子もなし、一代切りで絶すは残念、手を選んで伝授せいと、勅諚で七日の物忌、殊の外お取り込み。事済んでから願うてやろ、さ、早う帰れ」。
丞相「イヤ立つな源蔵。言いつけし手本、只今書け」。

菅丞相、源蔵に筆法伝授決定。
丞相「仮名といい、真名といい、これに勝れし手跡や有らん。菅原の一流は心を伝える神道口伝。七日も満つる今日只今、神慮にも叶ひし源蔵、見事、見事(中略)この上は、伝授の一巻そのほうに与うるぞよ」。
源蔵「ハアヽ有難や忝なや。筆法御伝授賜るからは、勘当も赦されて、以前にかわらぬ御主人様」
丞相「ヤア、主人とは誰を主人。伝授は伝授、勘当は勘当。この以後、対面叶わぬぞ
源蔵「道理をわけての御意なれども、伝授は他へ遊ばされ。なにとぞ御勘当を御免のほどを」。

人形浄瑠璃文楽名演集 通し狂言 菅原伝授手習鑑 初段 [DVD]人形浄瑠璃文楽名演集 通し狂言 菅原伝授手習鑑 初段 [DVD]
(2009/04/24)
古典芸能

商品詳細を見る


菅丞相、御所から参内せよとの命令を受ける。
丞相「七日の斎戒(ものいみ)過ぎざる内、御用とは何事。隨身仕丁の用意せよ」。

園生の前登場。
園生「さりながら、御勘当は許りぬげな。館の出入りも今日かぎり。御参内を見送りがてら。ナ、合点か」。

菅丞相再登場後、冠落ちる。
丞相「伝授あい済むからは、対面は早これかぎり、罷り帰れ。立て立てよ」(中略)(冠落ちる)。
♪何としてかは召されたる、御冠の自ら、落つるをお手に受けとめ給い
丞相「今参内の際に臨み、この冠の落ちたるは」。♪ハッばかりに御気がゝり。
園生「イヤ、それは源蔵が願ひ叶はず落涙致す。落は落つると読むなれば、その験でかなござりましょう」。
丞相「イヤイヤ、さにてはよもあらじ。参内の後知れる事。源蔵早く帰されよ」。
希世「参内」。  皆々「ハヽア」。

戸浪悔やむ。
♪戸浪が悔やみは夫の百倍。
戸浪「お前は御前のお詞かゝり、すぐにお顔を見やしゃんしたが、わたしゃあ、御台様のお後に隠れて」♪あんじりと、お顔も拝まぬ女房の心、思いやっても下されず、まんがちな一人泣き。「同じ科でもお前は仕合わせ。女子は罪が深いという、どうした謂れでなぜ深い。鈍な女子に生まれたわいなア」。

・菅原館門外の場
菅丞相に流罪申しつけ
清行「斎世の君刈屋姫、加茂堤より行方知れず、仔細詮議なされしところ、親王を位につけ、娘を后に立てんとする、菅丞相が予ねての企み。其の罪遠島とあい極まり、流罪の場所は追っての沙汰、それまでは只今帰館のこの時より、館の内に閉じ込め置く」。

源蔵と戸浪、敵を追い散らす。
希世「ヤア、ウヌは源蔵め。一度ならず二度ならず、ようひどい目に合わしたな。うぬがする狼藉は、菅丞相がさせたによって、流罪の仕置きが死罪になるぞ」。
源蔵「物覚えの悪い抜け作め。伝授は受けても勘当は許りぬこの源蔵。さすれば身共に主従はない」。

源蔵夫婦、梅王丸と打ち合わせし、菅丞相の息子を預かる。
源蔵「仁義を守る道真公、とあって讒(ざん)者の計らいにて、お家の断絶覚束なし。ご幼少の若君を、夫婦が預かり奉らん(中略)。梅王丸、若君をこっそりと~」。
梅王「出来た、出来た。お上へ言うても得心あるまい。盗み出すがお家のため」。
源蔵「よい料簡。ちっとも早く、頼む、頼む」。♪頼む頼むという間もなく、築地の上から心の早咲き、勝色みせたる花の顔(かんばせ)」。
梅王「大事の若君、怪我のないよう」。 源蔵「心得た」。
♪心得高き築地の屋根、軒に手届く心も届く、若君受け取り抱き下ろし、外と内とに忠臣二人、胸は開けど開かぬ御門」。

10:01 歌舞伎のせりふ | コメント(0) | トラックバック(0)
コメント

管理者のみに表示

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。