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十二月歌舞伎座夜の部「雷神不動北山櫻」

2014/12/24
歌舞伎座12月夜の部。通し狂言「雷神不動北山櫻(なるかみふどうきたやまざくら)」。市川海老蔵五役相勤申し候。目玉は海老蔵と玉三郎。

鳴神上人・粂寺弾正・早雲王子・安倍清行・不動明王:海老蔵/文屋豊秀:愛之助/小原万兵衛実は石原瀬平:獅童/小野春道:市川右近/白雲坊:亀三郎/黒雲坊:亀寿/小野春風:松也/秦秀太郎:尾上右近/錦の前:児太郎/八剣数馬・こんがら童子:道行/腰元巻絹:笑三郎/八剣玄蕃・せいたか童子:市蔵/関白基経:門之助/秦民部:右之助/雲の絶間姫:玉三郎

序幕 第一場 神泉苑の場、第二場 大内の場
まず、定式幕の外に口上人形が「とざい、とーざい」と登場してびっくり。「仮名手本忠臣蔵」みたいだ。役者名を順に呼び上げるのも、役者が最初人形になりきり頭を垂れ目を閉じているのも一緒。そういう演目なのか、年末だからか。昨年の「忠臣蔵」で登場したのと同じ人形かも。「ダウントン・アビー」のベイツさんに似てる。玉三郎さんのときが断トツに盛大な拍手。

海老蔵は早雲王子と陰陽師、安倍清行として登場。あっけない早替りも。海老蔵の早雲王子は自由人。彼が自由に行動して、その結果下々の者が迷惑を被るのが目に見える。一方安倍清行は見た目光源氏。とにかく女好き。昨年の染五郎の演じた陰陽師のキャラとは全然違う。あんな女好きの陰陽師もありなんだ。外郎売りのような早口の台詞も含めて口跡はイマイチだったけど、ニンなのだろう。色気全開、雰囲気もある。これで口跡が良くなり仕草を極めれば鬼に金棒。

善悪はっきりした役柄を門之助の関白基経、右之助の秦民部、愛之助の文屋豊秀らが手堅く演じており見やすい場面。

二幕目 小野春道館の場、「毛抜」
夜の部一番のヒットは海老蔵の粂寺弾正!まさかこの役が(あくまで私見ですが)海老蔵のニンとは。驚いたりガハハと笑ったり、明るく感情表現豊か。助平で嫌われても全然めげなくて、それでいてけっこう切れ者、豪放磊落。場内も主役弾正の愛すべきキャラを受け入れる空気に。いつものファルセット口跡も聞こえるのになぜか気にならない。不思議な役者だなあ、海老蔵は。黒地緑地に橙の海老の衣装もさすがに似合うし。あと、この役で海老蔵に團十郎さんの面影をはじめて見ることができ嬉しい。

こちら、錦の前の逆立つ毛を見て驚く弾正。
enomi20141222-01.jpg

尾上右近、立役を見られると思い楽しみにしていたら、お小姓の役。セクハラ弾正を嫌がる表情がたまらない。獅童の万兵衛実は石原瀬平、口跡も良いし、頑張ってた。児太郎、髪を逆立て下を向き困る表情がおっとりセクシー。小野春風の松也はすっきりとした当主を淡々と演じてた。市蔵の八剣玄蕃、姫の病を「治せるものなら治してみろ」という不敵な態度が小憎らしい。笑三郎の巻絹、凛とした横顔と立ち居振舞い、黒地の衣装がきれい。

三幕目 第一場 木の島明神境内の場、第二場 北山岩屋の場
「木の島明神境内の場」。巫女さんたちが踊る中、愛之助の文屋豊秀が上手から客席へ降りて一周するというご馳走が!!でも3階8列目では愛之助か客席に降りたとたん、その姿すら見えなくって(泣)。1階席の皆様方が羨ましかった。ふと気づくと花道に安倍清行の海老蔵が。またもや色気を振り撒き去っていった。

そして「北山岩屋の場」こと「鳴神」。まず、亀三郎の白雲坊と亀寿の黒雲坊が登場。実はこの兄弟、なかなか区別できなくて。二人一緒にお目見えしたおかげで、ようやく見分けがついた。さすが兄弟、息がぴったり。

そしてお待ちかね、海老蔵の鳴神上人と玉三郎の絶間姫。やっぱりこの二人のコンビは好きです。鳴神が絶間姫に徐々に惹かれる場面、二人がいちゃついてる場面とか、何よりも絵になるし、見ていて楽しい。

玉三郎の絶間姫は心に一物ありそうなちょっと尖ったお化粧が、とても色っぽい。仕草も優雅な絶世の美女、でも時折みせる少女のような可愛らしさ。絶間姫の話術にたくみに翻弄され、おまけに取っ手らしきもの=乳を触らされたら、そりゃあイチコロだ。ただ海老蔵の鳴神はわりと普通のうぶな若者に見えた。勉強ばかりしている優等生がはじめて風俗に行ったような。鳴神って初めてみたのだが、真面目一本やり40、50歳位の高僧鳴神上人が翻弄されるのが見所なのでは。海老蔵の鳴神はまだまだ物足りない。

最後、絶間姫に騙された事に気づいた鳴神。怒りまくってお坊さんたちと経文を撒き散らかして切る見得は綺麗。真っ白な衣装から、怒りを表すキランキランした衣装に早替わり、髪も爆発。でも海老蔵の鳴神、絶間姫に騙された事に気づいてもそんなにショックに見えないよ。助平心につけこまれ騙されるというのは男にとって相当の屈辱だろうし、ましてや鳴神の上人という地位を思えば、最大級の怒りを爆発させなきゃおかしいと思うが、そこまでの爆発力はなかった。

立ち廻りは結構派手。三階さんたちが梯子で成田屋の三升の紋を表したり、本舞台と花道に斜めにかけた大梯子の上で鳴神が見得を切ったり。鳴神が花道の半ばまで上ったときは、ちょっと距離が近くて嬉しかった笑。立ち廻りをやっているうちに海老蔵も盛り上がってきたのか、花道を引っ込むときは怒り爆発。

大詰 第一場 大内塀外の場、第二場 朱雀門王子最期の場、第三場 不動明王降臨の場
ラストは「不動」。あっさり終わる。もともと短い作品なのか?

テンポのよい長唄三味線の後、大太鼓と合奏。朱色の照明の中、向かって右、こんがら童子の道行。左、せいたか童子の市蔵さん。そして真ん中にでーんと「我こそは不動明王」海老蔵。不動明王がジリジリと宙に浮かび上がる。ピカピカの紙吹雪が舞い散る中、幕。

夜の部、とても楽しかったです。天守物語やスーパー歌舞伎が好きな人にはお勧めの演目。玉三郎さん、久々の絶間姫が見られてよかった。そして海老蔵。やっぱり成田屋十八番を極めるのが海老蔵の使命だと思う。期待せずにいられない。来年も楽しみ。

23:27 鑑賞記録 | コメント(0) | トラックバック(0)
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