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壽初春大歌舞伎「番町皿屋敷」「女暫」「黒塚」2

2015/01/24
国立劇場に行こうかとも思ったが、色々悩んだ末、歌舞伎座夜の部に再度参上。 
ちょいメモ備忘録20150124-02

一、番町皿屋敷
青山播磨:吉右衛門/腰元お菊:芝雀/並木長吉:桂三/奴権次:吉之助/柴田十太夫:橘三郎/放駒四郎兵衛:染五郎/渋川後家真弓:東蔵

青山播磨の名台詞をも一度聞きたかったのが夜の部を再訪した一番の理由。「おば様は苦手じゃ」「そちの疑いは晴れようが、疑われた播磨の胸は晴れぬ」「潔白な男のまことを疑うた女の罪は重いと思え」「家重代の宝も砕けた、播磨が一代の恋も滅びた」「一生の恋を失って、男一匹が何をして生きようが」等の台詞を堪能。番町更屋敷って名台詞がいっぱいあるんだね。あと、播磨がお菊の母に自分との事を話せばよいじゃないかと言う場面がお気に入り。吉右衛門の若者らしい真っ直ぐな一途さが伝わってきて萌える。そしてこの場面と後半の悲惨な場面とのギャップ。

前回と印象が変わったのは芝雀さんのお菊。前回のお菊の苦悩は若い娘にありがちな恋の悩みにすぎなかったが、今回は播磨に本当に愛されているのか気も狂わんばかりに思い悩んでいた。何をしでかすか分からない雰囲気。こりゃ皿も割るな。播磨が皿を割ったことをあっさり許したときの嬉しそうな顔も少々恐い。狂喜度がアップした事で、播磨がお菊を殺すに至った事とのバランスがとれた気がする。

こちら、お菊が割るお皿。
ちょいメモ備忘録20150124-01

それでもお菊が殺された後は、吉之助と同じ「やっておしまいになったか」という心情になる。 客席も「 あーあ、本当にやっちゃった」という雰囲気になり、引き気味になるのがちょっと面白い。一昨年巡業の際観たときはあまり興味の沸かなかった演目だけど、今回は結構気に入ってしまった。歌舞伎を少しは見慣れたからか。

二、女暫
巴御前:玉三郎/蒲冠者範頼:歌六/清水冠者義高:錦之助/女鯰若菜:七之助/茶後見:團子/手塚太郎:弘太郎/紅梅姫:梅丸/家老根井行親:橘三郎/局唐糸:笑也/成田五郎:男女蔵/轟坊震斎:又五郎/舞台番辰次:吉右衛門

前回は「赤いぽっぽの兄さん方」の引き抜きが一人失敗したため、その後お兄さんたちが威勢よく見えなくなってしまった。今回は引き抜きも成功、玉三郎とのやり取りも安心して観ることができ、様式美を更に堪能できた。「赤いポッポ」の果たす役割は大きいんだね。一番張り切って玉三郎に喧嘩を売ってるしね。男女蔵さんの成田五郎も元気があって良かった。

女鯰七之助はいかにも策士な感じで、それでいて可愛い。轟坊震斎の又五郎さんの鯰はうまい。はまり役でしょう。目立つ役ってこともあるけど、この二人がやはり印象に残る。女鯰が震斎又五郎の頭を鞠に見立ててつくのが楽しい。あと弘太郎の手塚太郎はどういう役なのだろう。衣装や鬘からして子供のような?それまでの雰囲気をパッと変えて格好よく所作をキビキビと決め、立派な口跡を披露し、鮮やかに去っていった。

そして吉右衛門の舞台番は何度見ても楽しい。最後に玉三郎の刀を持って花道をスタコラ去っていく。この光景、どこかでみたと思ったが、一時間半前に青山播磨が刀を持って闘いに走っていった。雰囲気は全く違うが。玉三郎に伝授するセリフをちょいメモ。「ばて、ばてばてばて・・・バ~ッタリ、でんでんでんでん、でんでんでんでん、やっとことっちゃ、うんとこな~、でれつくでれつくでれつくでれつく、やっとことっちゃ、うんとこな」。で、「お~恥ずかし」に続く。

三、猿翁十種の内 黒塚
老女岩手実は安達原の鬼女:猿之助/山伏大和坊:門之助/強力太郎吾:寿猿/山伏讃岐坊:男女蔵/阿闍梨祐慶:勘九郎

猿之助は前回同様、完璧な老女の仕草、声色、表情、踊りと高い身体能力を披露し、観客を圧倒する。3階からみた「黒塚」は照明が映えてた。すすき野で自分の影と嬉しげに軽やかに踊る老女。途中、一面を青く照らして老女の怒り?を表す照明が印象的。印象が変わったのは、勘九郎の阿闍梨。 清廉な阿闍梨が放つエネルギーが猿之助の老女のオーラと拮抗し、見ごたえのあるものとなっていた。

それにしても澤瀉屋さん贔屓の拍手が非常にピンポイント。ここが見どころである、と教授される気分。家の芸だから、澤瀉屋贔屓の方にはお馴染みの演目なのだろう。「黒塚」はリピ率高そう。かく言う私ももう一度見たいくらい。今年は歌舞伎座外の澤瀉屋のお芝居にも足を伸ばすことになるかも。

木挽町広場にはなぜか雛飾り。
ちょいメモ備忘録20150124-06

リピでも楽しい夜の部。でも実はこの次の日、昼の部観劇なのですよ。ちょっと行き過ぎかつハード。

23:34 鑑賞記録 | トラックバック(0)