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「吉田千秋写真集 歌舞伎座―歌舞伎四百年記念」

2015/02/24
戦後、歌舞伎座で公演された約3500演目の中から厳選。一時代を築き上げた歌舞伎界の名優が次々に登場。掲載する写真約950点。特色ある演目は個々に解説文つき。大きなサイズ(316ミリ×346ミリ)のフルカラー312ページ(モノクロ写真あり(「BOOK」データベースより)。

吉田千秋写真集 歌舞伎座―歌舞伎四百年記念

今にも舞台の台詞が聞こえてかそうな躍動感あふれる写真の数々。当時の技術でよくもまあこれだけの写真が撮影できたものだと思う。写真家吉田千秋さんは、先日読んだ「六代目 尾上菊五郎―全盛期の名人芸」の写真家木村兵衛さんに師事。

一番目をひいたのは十七代目中村勘三郎。うかれ坊主、四ノ切、髪結新三、加賀鳶、一條大蔵卿。どんな役の表情、見得も、とびっきりの絵になる。

また十代目市川海老蔵、十二代目團十郎の助六の美しさに驚いた。若い頃の写真も含め助六が幾つか掲載されているが、浮世絵のよう。大きい目を細く見せる化粧、足をパーンと開いての立ち姿、粋にさしかけた傘。かっこよすぎ。

九代目市川海老蔵、十一代目團十郎の風貌も目をひく。源氏物語等、写真の数こそ少ないが、とても目立つ。あの目に吸い寄せられる。

これぞ役者といった風情の二代目松緑。時代物も世話物も立派。夏祭浪花鑑、鳥居前、魚屋宗五郎、番隨院長兵衛。そして、これに負けない八代目幸四郎の風格ある表情。元禄忠臣蔵、御浜御殿、加賀鳶、ひらかな盛衰記の逆櫓。

六代目歌右衛門の畏れさえ感じさせる圧倒的存在感。

ほかにも、二代目扇雀(当代藤十郎)の曽根崎心中お初の可憐で清楚なこと。七代目芝翫の女暫のつんとした勇ましい表情。初代尾上辰之助の蘭平の初々しい若者風情。五代目富十郎の今にもなぎなたを振り回しそうな船弁慶知盛。当代菊五郎の落窪物語でみせる艶っぽい女形。二人とも初々しい片岡孝夫と五代目坂東玉三郎の鳴神。当代吉右衛門の37歳で演じた八汐。水天宮利生深川では取立て役か?若ーい。三代目猿之助が演ずる躍動感いっぱいのいがみの権太に、伸びやかでしなやかな襲名披露で歌右衛門と共演した吉野山。

永久保存版です。定価¥30,240だが、それ以上の価値あり。

16:21 歌舞伎本 | コメント(0) | トラックバック(0)
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