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「歌舞伎の中の日本」 松井 今朝子

2015/03/06
歌舞伎はどんな芸能で、どのように鑑賞すればよいのか?『忠臣蔵』『四谷怪談』など主要な十演目を年代順に取り上げ、成立した時代背景や見どころ、作劇法などを論じるほか、歌舞伎の重要な要素である「舞踊」についても詳しく解説し、総合芸術である歌舞伎の実体を立体的に浮かび上がらせる。江戸の世相や民意を反映して歌舞伎が発展した様を追いつつ、作品の底に流れる日本人のメンタリティーにまで鋭く迫る。歌舞伎の研究・台本作りにも携わった経験をもつ著者が、歌舞伎の真髄を綴った、格好の入門書(「BOOK」データベースより)。

歌舞伎の中の日本 (NHKブックス)

各お芝居の人気がでたルーツや時代背景との結びつきの説明が面白い。バブル(元禄時代)が崩壊し、お上の締め付け厳しくなった閉塞感ある世の中で、過去にロマンを求めて時代物がはやったとか(寺子屋)、動物や自然に学ぶという日本人らしい感性が、動物の姿により人間を省みるという芝居を生み出したとか(四の切)。

いくつか歌舞伎の入門書本は読んでいるが、踊りに触れている本は初めて。「舞い」と「所作」の違いとか。「積恋雪関扉」の解説は先月公演を見る前に読んでおくべきだった。

あと、「京鹿子娘道成寺」のハイライトの現代語訳。「ああ、私ったら、誰に見せようと思って口紅なんか塗ってるのかしら。将来は一緒になろうと言い合った文章まで取り交わした仲なのに、あれもみんな嘘だったのね。嫉妬なんかしちゃいけないと思っても、ああ、女は情けない、ついむらむらしてくる。ああ、あいつの気が知れない。なんだってあんな悪い男に惚れちゃったんだろう」。

16:05 歌舞伎本 | コメント(0) | トラックバック(0)
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