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吉右衛門丈講演 毎日新聞企業人大学「歌舞伎の魅力」

2015/03/17
「毎日新聞企業人大学」の3月講座、講師は中村吉右衛門丈。読者招待枠に応募したら当選。場所はホテルグリーンタワー幕張。最寄り駅は海浜幕張。開始時間は16時だけど、幕張なんて滅多に行かないし、早めに行って遅いランチでも食べようと計画。が、そこは一筋縄じゃいかない方向音痴。西船橋で乗換えを間違え、結局15時45分に到着。腹へりまくりでホテルに到着。

ちょいメモ備忘録20150317-01

会場は3階「チェルシー」。6人がけの丸テーブルが8つ。企業関係者が多く、読者枠は半分以下みたいだった。椅子に腰かけるとなんとケーキと珈琲が!参加費無料なのに!涙。毎日新聞様、ホテルグリーンタワー様、感謝!!バクバクケーキを食べ終わった頃、スーツ姿の吉右衛門様登場。聞き手は毎日新聞歌舞伎取材担当の小玉祥子編集委員。

ちょいメモ備忘録20150317-02

いきなりDVDが流れる。たぶん「初代 二代目 中村吉右衛門の芸【播磨屋物語】」。初代と当代吉右衛門の映像を少しだけ流した後、初代の思い出を当代が語る。「盛綱陣屋」で共演した初代が万雷の拍手を受けており、子役として出演していた二代目は、「すごいなあ」と思って眺めていたとか。吉右衛門を襲名して来年で五十年だが、初代のようになるにはお客様に万雷の拍手の受けること、と思っているそう。あと、初舞台の口上でアイロンをかけるように赤ふんどしの皺をのばしているのを見てお客様が笑っていた。これをばあやが知り、気難しい初代に伝えるべきか迷ったと死ぬまで言われた話。名優は気難しいもの、らしい。

次に「熊谷陣屋」の映像。ここで隈取りの話に。「陣門 組打」では二本隈だが、「熊谷陣屋」では無常観を悟った直実であることを示すため一本隈にするのが初代のやり方。最近は当代も一本隈にしている。また、舞台では「出」と「ひっこみ」が一番難しく、特に「出」では、そのとき直実を取り巻く状況すべて、さらには無常観まで観客に予感させなければならない。

続いて「法界坊」の映像。ここでは世話物の解説。世話物は間、台詞が重要で、初代の間が良かったこと、セリフを一人で言うのでなく、他の役者とキャッチボールをしないといけないことなど。面白かったのは、十七代目勘三郎が「法界坊」でキャッチボールどころか芝居で私的なことまで話し始めたエピソード。当代が甚三で役出演したとき、法界坊に刀を当てたら「縦じゃなくて横にあてなきゃ、こうやるんだよ」と芝居の最中に大声で教えられた話。あと、「双面水照月」で小山三さんが調子っぱずれの声を出したのがいけなかったらしく、小山三さんが逃げたら十七代目の法界坊が追っかけて舞台から消えてしまった。なんと吉右衛門さんがいきなり小山三さんのものまねをして、これが結構似てた。

名演名作選 初代 二代目 中村吉右衛門の芸 (小学館DVD BOOK―シリーズ歌舞伎名演名作選)名演名作選 初代 二代目 中村吉右衛門の芸 (小学館DVD BOOK―シリーズ歌舞伎名演名作選)
(2010/06/24)
朝田 富次

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また、代役を勤める事が出世につながる話は興味深かった。突然の代役を見事にやってのけると、「こいつはやる気がある」と松竹にも先輩役者にも判断され、それが出世のきっかけになる。吉右衛門さんは萬之助時代、実父の白鸚と歌右衛門の「積恋雪関扉」をいつかやりたいと思って、ずっと張りついて見ていたら、宗貞役の二代目鴈治郎が倒れた。すると歌右衛門が「萬之助が毎日見ているからできるだろう」と宗貞役に推薦、それが認められ吉右衛門襲名のきっかけになった。でも、吉右衛門さんがやってみたかったのは関兵衛役。宗貞は全く見ていなかったという 笑。

しかし、今は歌舞伎役者も減り、若い役者さんが実際に芝居を見る機会が減ってしまった。先日も若い役者さんにある役を教えたとき、「この芝居見たことあるの?」ときいたら、「ない」という返事だったそう。昔は「定後見」(じょうごうけん)という制度があり、若い役者が黒衣を着て、幕が閉じる場所で見ていた。客席から見えてもOK。そういうシステムがまたあればいいのに、とおっしゃていた。まあ、最近DVD撮影はしているが、なんと撮影時だけわざと間違える役者さんがいるとか(いじわる?)。撮影される角度も正面からとは限らない。やはり実際に見る機会が必要とのこと。ちなみに役者自らビデオ撮影をしたのは吉右衛門さんが最初らしい。

芸の継承の仕方について。芸を教えるときは、まず真似から。そしてそれを何度も反芻して、その後で自分のやり方を出していく、とのこと。真似といっても、物まねじゃだめ。癖を覚えるのもだめ。間など、良いところを真似しなきゃいけない。もし真似ができないなら役者としては難しい。

ちょいメモ備忘録20150317-03

最後に80歳になってもやりたいお芝居、「勧進帳」の映像。まだ80歳になってやった役者はいないらしい。なぜ「勧進帳」かというと、歌舞伎の代表作であるからということと、富樫以外に気を使わなくて良い役で、実質一人芝居みたいなものだから。そして動きが激しく体力的に非常に消耗する役で、花道を引っ込んだあと無になる、マラソンに近い達成感があるから、とのこと。

DVDが流れる度、吉右衛門様が自分の芝居をまるで花道に座る吃又のようにじーっと凝視しているのが印象的。椅子から立ち上がったときのダンディーな佇まいが素敵。質問コーナーで質問しなかったのが心残り。だけど貴重なお話をたくさん伺うことができ、非常に密度の濃い1時間半でした。

こちら、吉右衛門さんからいただいた播磨屋メモ帳♪
ちょいメモ備忘録20150317-04

23:54 歌舞伎もろもろ | コメント(0) | トラックバック(0)
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