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三月千穐楽「菅原伝授手習鑑」より「加茂堤」「筆法伝授」「道明寺」2

2015/03/28
「菅原伝授手習鑑」昼の部、もう一度菅丞相と覚寿にお目見えしたくて、千穐楽に久しぶりの幕見。歌舞伎座に9時25分に到着。 通しで購入。「加茂堤」は14番、 「筆法伝授」は11番、「道明寺」は 7番。無事希望席を確保。
ちょいメモ備忘録20150327 -05

通し狂言 菅原伝授手習鑑
 序 幕 加茂堤
桜丸:菊之助/八重:梅枝/斎世親王:萬太郎/苅屋姫:壱太郎/三善清行:亀寿

ちょいメモ備忘録20150327 -03

「加茂堤」では2列も立ち見。さすが千穐楽。

苅屋姫の壱太郎がとても良くなっていた。前回見たときは赤姫にすら馴染んでいない印象だったが、今回は艶っぽさが醸し出されていた。斎世親王との場面もなまめかしい。牛車から出てきた後、斎世親王を愛しげに見つめる目には秘め事の後らしくしっとりとした色香が漂う。わずか十日でこんなに変わるとは。斎世親王(萬太郎)の台詞も同様に艶やかさが倍増。でも、だからこそ、萬太郎のあどけなさの残る顔立ちが気になる。前回見たときはいかにも幼い恋という感じだったのでむしろそれが良かったのだが、今回はだいぶ成長してしまったので。

若夫婦はもはや安定感すら感じる。橋本治の「浄瑠璃を読もう」を読んだせいで、八重(梅枝)がヤンキーにしか見えなくなって 笑。最後に牛車を引っ張るのは、さしずめトラックを運転する茶髪のヤンキー姉ちゃん。緊急事態とはいえ、「牛車を戻しておいてね」って女に頼む桜丸(菊之助)もけっこう凄い。黒牛、かわいかった。

二幕目 筆法伝授
菅丞相:仁左衛門/武部源蔵:染五郎/梅王丸:愛之助/戸浪:梅枝/左中弁希世:橘太郎/腰元勝野:宗之助/三善清行:亀寿/荒島主税:亀三郎/局水無瀬:家橘/園生の前:魁春

ちょいメモ備忘録20150327 -01

今回も菅丞相(仁左衛門)に圧倒される。源蔵の清書を希世が横でドタバタと妨害していても、白の直衣(のうし)を纏った菅丞相のオーラが凄くて視線が源蔵たちに固定されない。もちろん源蔵たちが視界に入るのだが、どうしても菅丞相に気持ちが行く。源蔵、希世を2とすれば、菅丞相8みたいな。動きが全くないのにもかかわらず。細く高い声には気品と威厳があり、発せられる言葉一つ一つは菅丞相自身の言葉としての重みがある。やはり仁左衛門は菅丞相さま。

今回は、染五郎が源蔵らしく見えた。菅丞相に勘当され今では貧しい生活が堅実な生活を送る、だけど勘当を解かれる事を願う源蔵。染五郎の芝居からは、幸四郎と吉右衛門の影が見え隠れ。いい具合でミックスされた役者になると面白い。習字うまいんだね。梅枝の戸浪、菅丞相に会えないつらさが、園生の前の袖に隠れてお目見えしようとする仕草で良く分かった。前回よりも源蔵と戸浪が菅丞相を慕う気持ちがよく伝わった。

魁春の園生の前、斎世親王と苅屋姫の事を希世に嫌味ったらしく言われ涙する場面、家を守る責任を果たそうとする毅然とした態度と、菅丞相を案ずる妻としての優しさ。橘太郎の希世は、今回も笑いを誘う。何度も登場し、最後、菅丞相を幽閉するときも花道をスタコラ登場。またこいつ出てきたよって感じで観客から笑いが(イヤな笑いではない)。愛之助の梅王丸はかなり好き。まっすぐで融通が利かなそうなところがイイ。亀三郎の荒島主税、口跡が迫力。亀蔵さんみたいになることを期待。宗之助の勝野のお化粧は少しごつくないか?もっともっと可愛く作れる人。

三幕目 道明寺
菅丞相:仁左衛門/立田の前:芝 雀/判官代輝国:菊之助/奴宅内:愛之助/苅屋姫:壱太郎/贋迎い弥藤次:松之助/宿禰太郎:彌十郎/土師兵衛:歌六/覚寿:秀太郎

ちょいメモ備忘録20150327 -02

木像は、当然かもしれないが、菅丞相とは全く表情が違う。硬質で無機質で、それでいて厳しい。「筆法伝授」から「道明寺」の木像が登場するこの段階まで、菅丞相はまださほど感情を顕にしていない。それでも、木像と菅丞相の表情が明らかに違う事がこの段階で分かるのだ。凄い事だと思う。登場する木像にお目見得すると、とても緊張する。カクカクした動きで、下手するとお笑いになりかねないのに、存在自体が畏れ多くて、こうべを垂れずに見ているのが申し訳ない。

菅丞相は木像同様、畏敬の念を抱かせる存在ではあるが、情愛深い人物であることが通しでみるうちに分かってくる。「筆法伝授」から「道明寺」まで菅丞相は何度も登場するが、観客はその都度観客は拍手をする。早替りに対しての拍手ではない。それだけ畏れ多く厳かな人物がお目見えしてくれた事に対し、何らかの反応をせずにいられないのだ。観客の拍手は、菅丞相を菅丞相として認めたことの証拠だと思う。そんな気高い菅丞相が感情顕にする苅屋姫との別れ。無情な仕打ちに耐えた末の、天神の見得での苦しい表情。たまらなかった。

秀太郎の覚寿は、千穐楽も素晴らしかった。覚寿はとても厳しい女性で、下手をすると嫌われかねない役だと思う。秀太郎の覚寿も厳しく、斎世親王と逢引した苅屋姫に激怒している。しかし、登場したとたん、覚寿が家、立田の前、そして苅屋姫を守るために怒っているのが分かる。立田の前の死を悲しむ場面では今回も泣いてしまった。幸せになるだろうと信じて太郎(彌十郎)に嫁がせたのにそれが叶わず娘が哀れで、そんな夫と結婚させた自分に対しても怒り、だからこそ自分が敵をとらねばならないと決意する。そんな覚寿の心根が手に取るように分かる。今思い出しても泣ける。

松之助の弥藤次、今までの松之助さんの役の中でベストかも。適当に軽くて、イイ具合に嫌な奴で。「菅丞相」言葉で笑いをとってたのも楽しい。愛之助の宅内、今回もよかった。というか今回の「菅原」昼の部で、愛之助のファンになったかも。素っ裸になった宅内の足が短いとこがいい。「鯉つかみ」行きたいな。芝雀の立田の前は、綺麗だった。襲名発表効果か?夫太郎に殺されるときの淡い色の衣装、化粧が儚げで切なくて。今際の際の叫びがいまだに耳に焼きついている。

ちょいメモ備忘録20150327 -04

仁左衛門さんの菅丞相、秀太郎さんの覚寿は、台詞が大してなくても動かなくても、そこにいるだけでその心根が分かる。この二人で今回の芝居を見られたことは宝物。

00:07 鑑賞記録 | コメント(0) | トラックバック(0)
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