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「菊五郎の色気」 長谷部 浩

2015/06/07
女方から男伊達まで、こぼれんばかりの「色気」で江戸の粋を立ちのぼらせる歌舞伎役者、尾上菊五郎。代々が育て上げてきた名跡「菊五郎」の芸を、七代目自身の言葉を交えて解き明かす(「BOOK」データベースより)。

菊五郎の色気 (文春新書)

菊五郎の色気の原点は、女形を長く勤めた経験にある。「女形を勤めることでその演目全体への理解が深まる。歌舞伎俳優の魅力の根底に色気があるとすれば、女方によって、その基礎が固まる」ということ。さらに、「若年では立ち役の大役を勤めるのは難しく、女形の方が役に恵まれる」というメリットもある。

しかし女形であり続けるわけにいかない。当代菊五郎自身「女形が嫌でした」。その理由は、「歌舞伎はどうしても、最後は立ち役が持っていってしまう」。

だからこそ、七代目襲名は「すんなり決まらなかった。実子九朗右衛門、娘婿勘三郎、その子勘九郎(十八代目勘三郎)芸養子松緑、現延寿太夫まで候補に」なった。

「女形のままでは、菊五郎になれない」のである。

そして徐々に立役に移行。兼ねる役者を名乗りつつ、菊五郎は今押しも押されぬ立役、尾上菊五郎となった。

今年の團菊祭、菊之助は「摂州合邦辻」の玉手御前、「天一坊大岡政談」の天一坊を演じた。その演目の選定に、菊五郎が己の築いてきた芸をあますことなく菊之助に託し、自らの「尾上菊五郎」としての芸を承継・完結させようとする思いがあることを本書で思い知った。当代菊之助に女形を極めてほしいと願ったりもしたが、この願い、叶わないことを覚悟した。

本書によると、当代菊五郎がいずれ演じてみたい役は、「義経千本桜」の渡海屋銀平実は知盛。「この頃の銀平はごつすぎて、平家の公達の匂いがしないでしょう。僕がやるときには、もっと色気があって、柔らかな銀平にしたいですね」。

来月七月の国立劇場で、銀平実は知盛を演ずるのは菊之助である。菊五郎の思う柔らかな銀平に出会える事を、今から確信する。

01:08 歌舞伎本 | コメント(0) | トラックバック(0)
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