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六月歌舞伎座 「天保遊俠録」

2015/06/22
六月大歌舞伎座昼の部です。

ちょいメモ備忘録20150622-01

一、天保遊俠録
小吉:橋之助/芸者八重次:芝雀/芸者茶良吉:児太郎/松坂庄之助:国生/唐津藤兵衛:松之助/井上角兵衛:團蔵/大久保上野介:友右衛門/阿茶の局:魁春

「天保遊俠録」、実はあまり期待していなかった。演目、出演者がどうのっていうのでなく、大幹部が集合する「新薄雪物語」に目が行ってしまって。ところがどっこい、当たりでした。

小吉(橋之助)が良かった!橋之助、はまり役でしょう。茶屋で真面目に宴席の準備をしているのに食器の扱いでダメだしをされ、定九郎のような着物を着るな、箒でそのへん掃けと言われ切れる。芸者八重次(芝雀)の登場にデレデレ、その姿を息子に見られあたふた、その息子に御番入りを願うのは時勢が合わぬと忠告されたときの面目なさそうな顔。頑張って役人の接待をするが「やってられない」とまた切れる。役人相手には動じなかったのに、最後息子に小身者の悲しさを言われ、あまりの情けなさに体をちぢこませる。颯爽とした男ぶりなのに、表情はくるくる変わる橋之助がとても魅力的でした。

ちょいメモ備忘録20150622-07

芸者は八重次(芝雀)と茶良吉(児太郎)。芝雀さんの八重次は、鬘のせいか茶良吉より幼く見えた。嫉妬深いけど可愛いさもある情が深い女。児太郎の茶良吉、水も滴るいい女って茶良吉のことって言うくらい綺麗。最初、舞台下手に立つ姿から艶かしい色気が満ち溢れている。役人達が暴れるのを手で止めて押さえようとする仕草には、芸者としての仕事をきっちりこなす強さが顕れる。小吉が「やってられない」と言って切れた瞬間は「してやったり」という薄笑いを浮かべ胸の支えがとれた顔。心意気ある芸者さんの役がよく似合っていた。いつかは揚巻も夢ではない(そのとき助六は海老蔵か)。

阿茶の局(魁春)、接待のドタバタを一気に収拾する貫禄はさすが。おごり高ぶった役人達をたしなめやり込める場面と、息子を奉公に上げるよう小吉にこんこんと申し向ける場面の説得力。  ちょっと辛かったのが庄之助(国生)。ドジな役どころは合っていた。ドタバタする役回りなのにそんなにドタバタ見えなかったし(←褒めてます)。が、甲高い声が気になって。聞きづらい。父ちゃんに習って。 大久保上野介(友右衛門)、地位に胡坐をかいた軽薄なお役人らしさが良く出ていた。芝雀さんと夢のツーショットだわと興奮。しかも芝雀さんの八重次をお気に入りの役。もっと二人の絡みを見たい。  唐津藤兵衛(松之助)は、案外優しそうな世話焼きおばさんならぬ世話焼きおじさん。井上角兵衛(團蔵)、小吉にきちんと接待するよう冷静に説く根気の強さ。茶良吉が役人たちに捨て台詞を言い、それをあわてて取り成す芝のぶちゃん、ラブリー。橋吾、小吉と庄之助が切れそうになるのを抑えてると思ったら、お役人さんが怒るのを取り成そうとしたり、バタバタ大変そうな役どころ。小吉のせがれは日下部大地くん。頭の良い麟太郎の役を子役特有の甲高い声でよどみなく演じきってました。この子は上手い。

ラスト、廻り舞台で阿茶の局(魁春)と麟太郎の一行が出発する場面に転換。小吉(橋之助)が麟太郎に哀しくも別れを告げた後、花道から一行が引っ込み、雨が降り始め小吉と八重次(芝雀)が今夜は飲みに行こうと言うまでの流れが良い。大事に育てて来たのに離れていく息子を想い、目に涙を浮かべる小吉。

ちょいメモ備忘録20150622-09

橋之助の勢いに他の役者さんも乗っかったような勢いがあり、それでいてしんみりもするお芝居でした。

22:15 鑑賞記録 | コメント(0) | トラックバック(0)
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