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六月大歌舞伎「新薄雪物語」 花見、詮議

2015/06/22
六月は大歌舞伎、「新薄雪物語」。一昨年、杮葺落の花形歌舞伎で見たが、今回は大顔合わせ。仁左衛門、菊五郎、幸四郎、魁春、吉右衛門!
ちょいメモ備忘録20150622-08

結局昼の部を3階席で2回、夜の部を3階席で1回と「薄雪」のみ幕見した。22日昼の部、23日を夜の部という2日連続で通して見たのはなかなか良かった。

二、通し狂言 新薄雪物語
〔花見〕 奴妻平:菊五郎/秋月大膳:仁左衛門/園部左衛門:錦之助/薄雪姫:梅枝/花山艶之丞:由次郎/渋川藤馬:松之助/清水寺住職:錦吾/来国行:家橘/来国俊:橋之助/腰元籬:時蔵/団九郎:吉右衛門

朱塗りの伽藍で幕開き。桜が綺麗だなあ。こういう華やいだ舞台では当然のごとく色恋沙汰が始まるわけで、まず薄雪姫(梅枝)一行が登場。梅枝、桜に負けず美しい。全身、恋する思いで貫かれている。存在そのものが恋。おぼこい娘の初恋。でも決して淡くない、想いは燃え盛るばかり。女の生々しさが溢れ、色気が匂い立つ。それでいて所作はあくまでも高貴。  その薄雪姫の恋のお相手は園部左衛門(錦之助)様。裏表のない純な二枚目は、錦之助さんのはまり役。しっとりとした艶も漂い、薄雪姫とお似合いです。晴れて薄雪と両想いと相成ったときのほっとした表情が可愛い。錦之助さん、奇跡の55歳。

その二人の恋が成就するべくけしかけるのは、もう本物の夫婦にしか見えない息ぴったりの奴妻平(菊五郎)と腰元籬(時蔵)。この二人にかかっちゃ左衛門様も折れるしかない。 奴妻平(菊五郎)、愛嬌と茶目っ気があるからか、ちゃんと左衛門様より身分が低く見えた。それでいて男としての鋭さ、貫禄も兼ね備えた奴さん。 対する籬(時蔵)、新聞の評に水を得た魚のようと書いてあったけど、まさにその通り。薄雪姫の世話をちゃきちゃき焼いたかと思えば、妻平に艶っぽい視線を送ったり。元気いっぱいの籬、なんか好きだなあ。

二人の恋が成就した後、来国行(家橘)と勘当中の息子の来国俊(橋之助)登場。来国行(家橘)、本当は勘当を解いてあげたい息子思いの優しいパパ。  橋之助(来国俊)、直前に見た「天保遊俠録」の小吉のイメージが強く一瞬戸惑うが、この場では髪も下ろし色っぽく、遊女との恋に落ちた雰囲気あり。でも、同じ色恋に耽っても、左衛門様より芯がしっかりしてそう。夜の部「正宗内」につながるのだと思う。

そして編笠かぶって登場、団九郎(吉右衛門)。あたりを鋭い目でギョロっとを見回した後、膝を立てて刀に悪さをするまでの身のこなし。長い手足を存分に生かした所作。小悪党らしさを身にまとった姿にほれぼれ。

ちょいメモ備忘録20150622-06

団九郎が来国行と斬り合いになったところで、秋月大膳(仁左衛門)が手裏剣を投げ、「咲いたわ咲いたわ」と花道から登場、したはずなんだど、この台詞、拍手で聞き取れなかった。だけど、大膳が悪の凄みを花道で強烈に発散させさせているのは3階まで伝わった。悪の権化のような秋月大膳。国行を殺して「咲いたわ」って喜ぶくらいだから、小悪党じゃなく、大悪党。それでいてかっこいいのは、仁左衛門さんの強烈な艶が放たれているから。秋月大膳(仁左衛門)が団九郎(吉右衛門)を殺すのを中止し二人でする見得を目に焼き付ける。

最後に奴妻平(菊五郎)の立ち廻り。藤馬(松之助)に籬との仲を取り持つように頼まれたのが発端。藤馬(松之助)、下世話な雰囲気全開、いやらしそうな感じが良く出ていた。ちょっと痰が絡んでいる?

菊五郎劇団の立ち回りはいつもながら息がぴったり。菊五郎さんの手・身体から本物のパワーが放出されて、水奴たちが倒れていくかのよう。水奴さんたち、凄い。そして菊五郎さん、凄い。奴妻平を中心に、奴さんたちみんなで傘を差しての富士山の決めポーズ、本当に綺麗でした。
ちょいメモ備忘録20150622-05

〔詮議〕幸崎伊賀守:幸四郎/園部兵衛:仁左衛門/松ヶ枝:芝雀/園部左衛門:錦之助/薄雪姫:児太郎/茶道珍才:隼人/役僧雲念:桂三/秋月大学:彦三郎/葛城民部:菊五郎

二人のパパの苦悩する姿に圧倒される「詮議」。園部兵衛(仁左衛門)は、息子が陰謀に巻き込まれた事への無念をほとばしらせつつ、その運命に耐え抜こうとする。その表情、所作から溢れ出る憂い。幸崎伊賀守(幸四郎)は、冷静沈着に事態を受け止め最善を尽くす。翳りある感情を押し殺した表情からむしろ伝わる心の内の絶望。広い舞台の空間いっぱいが、二人の哀しさに包み込まれる。

そして、窮地に追い込まれた二組の親子を救おうとする葛城民部(菊五郎)。左衛門と薄雪姫の手を扇の下で握らせて応援する様に民部の大きさ温かさが溢れ出る。パパ達よりもさらに大きな人間であることが要求されるこのお役、もちろん菊五郎さん、はまり役。「新薄雪」は役者が揃わなければ出来ないことを実感。

「新薄雪物語」で実際に使用した扇子と印籠・・・印籠ってどこで出てきた?
ちょいメモ備忘録20150622-03 ちょいメモ備忘録20150622-04

「詮議」の若カップルは、左衛門(錦之助)と薄雪姫(児太郎)。「花見」に引き続き、錦之助さんは左衛門役。最初、伊賀守館を様子を見ながらうろうろする姿は柔らかな色気。薄雪姫と再会し見せる表情は嬉しそう、一転、刀の鑢目を見てわなわな、国行の遺体を見てさらにわなわなして苦悩する姿が似合う。太古の昔から二枚目が苦しむ姿は絵になるから。薄雪姫の児太郎は、梅枝に比べるとまだまだ型を追っている感あり。でも、気持ちが型に追いついているようにも見え、さらなる成長を期待。

松ヶ枝(芝雀)は伊賀守奥方、薄雪姫の立派な御母堂。 秋月大学(彦三郎)、秋月大膳の弟。口をぷーっと膨らませたり、体をプルプル震わせて怒ったり、感情表現が派手。すっとんきょうな声を上げることも含めて弟キャラ。 茶道珍才は隼人。坊主頭がかわいいぞ、と。

「新薄雪物語」、昼の部は「詮議」まで。いささか尻切れトンボの印象を受けるが、歌舞伎って「ここで終わりかよ」って演目は他にもたくさんある。「詮議」が台詞劇っぽく、終盤に派手な立ち廻りとかコクのある演出がないのが問題なのか。最後の場が「花見」なら文句はでなそうだけど、順番は変えられないし。

22:15 鑑賞記録 | コメント(0) | トラックバック(0)
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