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親子で楽しむ歌舞伎鑑賞教室 「義経千本桜」

2015/07/22
菊之助が「義経千本桜」で碇知盛!これを機にどんどん立ち役へ転向するのでは、という不安はあれど、知盛と菊之助がどう対峙するか見ておきたいという期待を胸に、切符発売日にネット接続。そうしたらほとんどチケットが残っていない。みんな思うことは同じです。無事に切符を手に入れ安堵。7月22日(火)、「親子で楽しむ歌舞伎鑑賞教室」。

ちょいメモ備忘録20150721-01

小学生の群れ!群れ!群れ!観客の総人数はいつもと変わらないはずなのに、子供の迫力ってのはすごい。いつもの倍、混雑しているように見えた。始まるまでは賑やかだけど、いざ芝居が始まると案外静かに見ていて感心だ。うるさいなと視線を送ると大人だったりする。

まず、萬太郎の解説による「歌舞伎のみかた」。内容はオーソドックス。せり、楽器、型、「義経千本桜」の内容説明など。萬太郎の体操のお兄さんのような歯切れの良い解説は、お子様たちにも親しみやすく、分かりやすかったと思う。太鼓を叩いて「これは何の音でしょう、自然現象ですよ」で子供たちが「太鼓!」「太鼓!」と答えていたのが可愛かった。あと、「揚幕の方からチャリンと音がしたら、みんな花道の方を見ましょう」と説明したら、本番でチャリンと同時に、お子様たちが異常な反射神経ですぐ花道の方を見ていたのが、2階から見ていて面白かった。

ちょいメモ備忘録20150721-02

義経千本桜
菊之助と役柄が非常にしっくりきていたのがある意味ショック。「渡海屋」の銀平として、船問屋の主人らしく悠然と相模五郎らをやりこめる。荒くれ者相手に商売をするだけの冷酷さと凄みがある。他方、碇知盛の正体を現し白の狩衣で登場、平家一門としての品位が十二分にありながら、義経への怨念、平家復興の野望を強く感じさせる。ひとさし舞う姿には、その志に一点の曇りもないことを伺わせる。

「大物浦」で血まみれで登場する知盛。化粧がすごい。特に目。目の周囲を紅く塗り、さらに黒で囲むこの化粧、怖かった。見目麗しい菊ちゃんの面影はどこにもない。この化粧で、恨みを晴らさんと義経に詰め寄る知盛の姿には鬼気迫るものがある。最後、碇を持ち上げ入水する断末魔の表情は初役だからこそのリアルさがあった。

典侍の局(梅枝)のは折り目正しく品がある。でも、お柳には見えなかったな。お柳は生活感あふれる芝雀さんのイメージが強いのだが、梅枝はお柳を演じていても安徳天皇を守る乳母に見えた。義経(萬太郎)、義経の風格を顕すべく、一言一句神経をとがらせ台詞を伝えているのが分かる。ただ、いかんせん童顔。梅枝と萬太郎、梅枝の方が背が高いのに、梅枝が女形、萬太郎が立役なのか。

相模五郎(亀三郎)、渡海屋へ踏み込むときのおかしみのある芝居も、御注進で再登場したときの傷を負った芝居で雰囲気を変える芝居もよかったです。入江丹蔵(尾上右近)、傷を負った芝居の方は前後不覚によろめく所作等、色気も残し、さすがと思わせる。踊りがうまいからか。ただ、渡海屋での相模五郎とのやり取りの台詞の間がいまいち。魚づくしの場面が今一つ盛り上がりに欠けるのは相模五郎でなく入江丹蔵のせい。

ちょいメモ備忘録20150721-03

これまで見た幸四郎と吉右衛門の知盛と異なり公家らしい気品あふれる知盛だった。たぶん「菊五郎の色気」で菊五郎がやりたがっていた知盛に近い。菊之助はこれからも碇知盛をきっと演じるだろう。そう思えるだけの仕上がりだった。ただ、私は菊ちゃんの女形の踊りが大好きだし、今まで菊之助が演じた役で一番好きなのは「摂州合邦辻」の玉手御前だし、やはり少々複雑。完全転向しないことを祈らずにいられない。

12:45 鑑賞記録 | コメント(0) | トラックバック(0)
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