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十月歌舞伎座「音羽嶽だんまり」「矢の根」「一條大蔵譚」「人情噺文七元結」

2015/10/19
十月歌舞伎座昼の部。四演目と豪華ラインナップ。

ちょいメモ備忘録20151018-01

一、音羽嶽だんまり
音羽夜叉五郎:松也/七綾姫:梅枝/源頼信:萬太郎/鬼童丸:尾上右近/保昌娘小式部:児太郎/将軍太郎良門:権十郎

あらすじを見るとけっこうストーリー性があるが、実際は踊り、だんまりという構成だったような。

最初に狂言師(松也)、源頼信(萬太郎)、保昌娘小式部(児太郎)が登場。でも狂言師が実は音羽夜叉五郎。その後、七綾姫(梅枝)、鬼童丸(右近)、将軍太郎良門(権十郎)がせり上がる。源頼信、保昌娘小式部も再登場してだんまり。最後に松也が女性の衣装で七三から出てきて六法で引っ込み。

久々に松也にお目見えできると楽しみにしていたが、この演目だけ。でも父六代目尾上松助が二代目尾上松緑に師事していたゆえの抜擢か。音羽夜叉五郎、若さと躍動感にあふれた所作が新鮮。最後、花道の六法での引っ込み、弾んだ中にも厚みがあり魅せてくれた。

ちょいメモ備忘録20151018-02

将軍太郎良門(権十郎)、平将門の遺児として形見を取り戻す肚がきっちり出ている。七綾姫(梅枝)、保昌娘小式部(児太郎)、次世代女形ツートップ(独断)。梅枝は貫録さえ漂う、児太郎は艶めかしい。源頼信(萬太郎)、やっぱり童顔。鬼童丸(尾上右近)、顔の長さが縮まってみえる。鬼童丸の小憎らしさがはまり意外。

てんでばらばらの衣装でのだんまりが楽しい。サクッと終わった。

二世尾上松緑二十七回忌追善狂言
二、歌舞伎十八番の内 矢の根

曽我五郎:松緑/大薩摩主膳太夫:彦三郎/馬士畑右衛門:権十郎/曽我十郎:藤十郎

ちょいメモ備忘録20151018-03


「矢の根」を見るのはたぶん二回目。前回も松緑だった。

この演目はキャラクターが大事。曽我五郎の腕白できかんぼうの弟というキャラは松緑に合う。

だが、いかんせん、曽我五郎の一人舞台的な側面があり、口跡、所作のタイミング等、役者の巧拙にものすごく左右されてしまう演目でもある。松緑が頑張っているのはものすごく分かるが、おせちづくし(?)や七福神の悪口が聞き取れなかったり、タイミングが緩慢だったように思う。動きそのものは豪快さ、猛々しさがあり、五郎らしさが出ていた。

曽我十郎(藤十郎)さん、一瞬で引っ込む。しかも何を言っているか聞き取れなかったが、舞台を藤十郎さんの持つ柔らかい空気にあっという間に包み去っていった。この存在感、さすが。

ちょいメモ備忘録20151018-05

三、一條大蔵譚 檜垣茶屋の場、大蔵館奥殿の場
一條大蔵長成:仁左衛門/お京:孝太郎/鳴瀬:家橘/八剣勘解由:松之助/吉岡鬼次郎:菊之助/常盤御前:時蔵

仁左衛門さんの一條大蔵卿!阿呆のお役、かわいかったです。長床几の端に体重をかけて面白がる場面とか。阿呆振る舞いなんて気持ち悪いと感じても仕方ないのに、そう思わないのは、仁左衛門さん本来の気品と風格の賜物か。

気になったのは吉右衛門との違い。吉右衛門の一條大蔵卿は、平家が跋扈する世で生き抜くため作り阿保を演ずるうち、いずれ本物の阿保になってしまう気がした。平家と戦うことを諦め一線を引いた姿があまりに物哀しく見ていて辛かった。一方、仁左衛門の場合は、そういう辛さはない。機会があれば、また平家との戦いに加わりそうだ。敵を欺くため毎日飲んだくれる大星由良之助のよう。作り阿保はあくまで仮の姿。

仁左衛門の大蔵卿はとてもチャーミングで、本心を明かす姿は凛として素敵だったが、本来の一條大蔵卿は吉右衛門なのでは、と思った。

常盤御前(時蔵)、源義朝の妻らしい貫録あり。が、真の気持ちを隠す健気さは伝わらない。お姫さま系はこの人のニンではないのかも。吉岡鬼次郎(菊之助)、一本気!この人が出ると安心する。台詞は分かりやすく、ヴィジュアルも歌舞伎の正統派二枚目。忠義に厚い鬼次郎の律義さがぐいぐい舞台をひっぱる。お京(孝太郎)、この人は腹に一物ある役が上手い。それが良い一物でも悪い一物でも。今回は源氏方に忠義を尽くすという「良い」一物。隠密のように本心を隠して舞う姿が綺麗だった。

鳴瀬(家橘)、洋画等に出てくるお嬢様の教育係っぽい。お転婆なお嬢様がレディになるべく一生懸命教育するけど、振り回されるタイプ。今回は大蔵卿に振り回されており、あげくに刺され可哀想。

仁左衛門さんのラストぶっかえり、かっこよかった。

ちょいメモ備忘録20151018-04

二世尾上松緑二十七回忌追善狂言
四、人情噺文七元結

左官長兵衛:菊五郎/女房お兼:時蔵/鳶頭伊兵衛:松緑/和泉屋手代文七:梅枝/娘お久:尾上右近/角海老手代藤助:團蔵/和泉屋清兵衛:左團次/角海老女将お駒:玉三郎

十月歌舞伎座で一番完成度が高いのはこれと思ったていたが、大当たり。安定の菊五郎劇団。

左官長兵衛(菊五郎)と女房お兼(時蔵)夫婦がイイのだ。あったかくって、娘思いで、でも博打大好きで、借金まみれの長兵衛と、口うるさくって、癇癪もちで、でも家族思い、いかにも長屋のおかみさんという感じの女房お兼。この二人の息の合った丁々発止のやり取りが最高。

五十両は博打ですったと思い込み、文七(梅枝)にあげたという旦那の言い分を全然信じなかった女房。後からお金が出てきて、「ほら見たことか」って感じで女房の頭をペシッとはたいたあたり、笑えたなあ。

ちょいメモ備忘録20151018-06

悔やまれるのは、吉原の角海老で女将お駒(玉三郎)が五十両を長兵衛に渡す場で、睡魔に襲われたこと。歌舞伎って長いよねー。人間国宝が二人も舞台にいるのに何で寝るんだ。

でもその後の長兵衛と文七(梅枝)の場面は目が覚めた。梅枝、うまい。お金ふんだくられて死ななきゃならないっていう悲惨な内容の台詞を吐いているのに、ドタバタ人情コメディの雰囲気を全然壊さないで、むしろ盛り上げる。江戸っ子情緒たっぷりの菊五郎とたっぷりこってりの梅枝、良いコンビでした。菊五郎さんもやりやすそうだった。

和泉屋清兵衛(左團次)、文七の主人らしさ、場のまとめ役。娘お久(尾上右近)、白粉なしの方がきれい。家を想う健気な娘。角海老手代藤助(團蔵)、しゃきしゃき事を運ぶ手代。團蔵さん、役ごとに雰囲気をちゃんと変えてくる。鳶頭伊兵衛(松緑)、平常運転。

最後、文七とお久の縁談がきまり、めでたし、めでたし。ちょっと寝たけどとても楽しかった。

ちょいメモ備忘録20151018-07

08:26 鑑賞記録 | コメント(0) | トラックバック(0)
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